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榊原と付き合うなんて考えた事無かった。俺は榊原と一緒に居るのが好きで、触れ合うのも榊原とが一番好きだ。気持ち良いし甘やかしてくれるし。
でも榊原はノンケだから、それだけで充分だった。充分だった、けど。
もっと榊原と一緒に居たい。
もっと榊原とエッチがしたい。
「俺は乙女か!?」
「いい加減キレんぞ」
「落ち着け藍堂。で、どーなんだ?」
「俺…榊原と付き合いたい。で、エッチしたい」
「お前本当ヤる事ばっかな。でも、良いんじゃねぇか」
「け、またバカップルが増えんのよ」
「最後は神崎と藍堂だな!」
「それは無い」
「ありえねぇ」
待っていろ榊原。今更俺から離れるなんて絶対に許さないからな!
****
一体俺は、何をしてんだ。
今日も俺は女を抱いていた。今まで田渕やいつメン達と過ごしていた時間を費やしてまで。
自分でも何故こんな事をしているのか分からない。田渕と気まずくなってしまったからか。男に勃起した事が未だに受け入れられないからか。
俺は考えを放棄するかの様に、女を抱いていた。けど何故か、俺は。
「あっ、榊原くん、もぉ、いくぅ」
「…っ、悪い」
既に女は達していたが、俺は何度突いてもイけなかった。無意識に田渕の身体を想像する前に、俺は女から性器を引き抜く。
やっぱり俺は、女を抱いても田渕の事ばかり考えてしまう。
その所為で露骨に田渕を避けていた。田渕もそんな俺をおかしいと思っているだろう。
そして俺も、そろそろ自覚して来てる。
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