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「ッ、は…待っ、たぶち…」 口内には田渕の熱く湿った舌が割り込んで来て、好き勝手に動き回る。 今まで想像だけで散々勃起してしまっていた相手にこんな事をされ、俺の下半身には無条件に熱が集まる。 荒く舌を絡ませて来る田渕に目を向ければ、同じく興奮した様に呼吸を乱しながら、頬を赤くし俺を貪る田渕の姿が目に入る。 これは、流石に…ヤバい。 「ふっ、は…榊原、俺のキスだけでこんなんだな?」 「っ、はぁ…お前、急に…」 「あの女と俺。榊原は、どっちを抱きたいんだ?」 唇が離れ、どちらのものとも言わぬ唾液がドロッと糸を引く。 それをペロリと舐め、厭らしく挑発する様な田渕の問いに、俺はドクリと全身の血が騒ぐ。 今まで俺は、散々ノンケだと自分に言い聞かせて来た。元は本当にノンケだし、女が好きだった。 だが俺は男に欲情し、更には女に田渕を重ねていた。 もう俺は、女では満足出来ない。そんなのとっくに分かりきってた。それを紛らわそうと田渕を避け、女を抱いて。 本当に、何をやってたんだ俺は。 「田渕」 「おう」 「俺は、お前を抱きたい」 心の底から、俺は田渕に欲情し、今直ぐにでもその身体を押し倒して滅茶苦茶にしたい。 俺は我慢出来ずに、田渕の身体を抱き寄せる。 女とは違い、薄く骨張った身体。下半身の主張するそれ。けど俺は、そんな田渕に興奮しているんだ。 「ふ、観念したか?榊原」 「…あぁ。田渕、お前の所為だ。責任とれよ」 「もちろんだ。ほら、好きにしてくれ」 田渕が制服を捲り上げ、露わになる白く薄い腹筋に、俺の理性は遠に消え去った。

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