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「ここが俺等のたまり場!めちゃ穴場で良いとこだぜ」
楽しそうな男と、男に肩を抱かれながら歩く藍堂。俺はそんな二人の後ろを渋々付いて歩いていた。
トントン拍子に話が進み、流されるままこいつらのたまり場だという所に来てしまった。
繁華街の怪しいいかにもな店が並ぶ一角の、こじんまりとした一軒のバーみたいな所。
流石に制服でこういう場所には来れないから、わざわざ私服に着替えて来た。
心底帰りたい。こんな所に来るくらいなら、付き合いたてバカップルのいつめんのイチャイチャを目の前で見せつけられる方がマシだ。
「もう皆んな集まってるから、早く行こうぜ!」
「あぁ」
渋る俺を他所に、藍堂は男に連れられるまま店の中に入ってしまい、俺はこんな所で一人置いていかれるのも嫌で、慌てて後を追った。
こんな場所来た事無いし、せめて藍堂から離れない様にしないと。
店内は想像通りの普通のバーで、カウンターの他に、テーブルとソファが何個か並んでいた。
そして、そこには数人の皆んな同じく派手な身なりをした男達が居た。
思ったより人数は少なかったものの、俺と藍堂を見る目が普通では無くて身体に無意識に鳥肌が立つ。
「おーマジで来た」
「へぇー、思ってたより可愛いじゃん?」
最悪だ。目的はやっぱりそういう事なんじゃないのか。だとしたら速攻帰りたい。こんな見ず知らずの奴等となんて、死んでも嫌だ。
「お、おい、あいど…」
「藍堂、酒あっちに用意してあるから行こうぜ」
「あぁ」
唯一の頼みの綱である藍堂は、酒に釣られ男達の居る席へ行ってしまった。
藍堂も、こいつらの目的なんて気付いてるはずなのに、何でほいほい付いてってるんだよ!
そんな一人取り残された俺に、男が声を掛けて来た。
「神崎だっけ?お前も来いよ」
「せっかくだし、遊ぼーよ」
「……」
一人は藍堂より身長が高くて体格も良い、黒髪短髪のイカツイ男。もう一人は藍堂と同じくくらいの身長で、金髪のチャラチャラした男。
そんな二人より明らかに小さい俺は逆らえる訳も無く、強制的に藍堂達とは別の席へ連れて行かれる。
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