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「てかさ、神崎と藍堂って結局付き合ってねぇの?」
「この前なんかあったみたいだな」
「…それは」
正直、あの出来事は俺にとってトラウマだ。すげぇ怖かった。
藍堂が居なかったらマジでおかしくなってたと思う。
「神崎顔色悪いぞ!」
「大丈夫か?」
「…いや、平気」
「藍堂呼ぶ?」
「いらねーよ」
心配そうな顔をしながら余計な事をしようとする久我。榊原は背中をさすってくれる。
「藍堂とは、付き合って無い。と、思う」
「思う?んだそりゃ」
「藍堂と神崎が恋人同士ってのは、マジで想像出来ねぇけどな」
「想像したくもねぇ」
意外に独占欲の強かった藍堂だが、俺達の間には恋愛感情など無い。
どちらかと言えば、俺はアイツの所有物みたいな感じがある。
でも俺は、藍堂にそういう扱いをされるのは特別嫌でもない。自分がマゾだからってのもあるだろうけど。
「でも何だかんだ一緒に居るし、お似合いだよな!」
「お互いがお互いじゃねぇと駄目みたいな感じするしな、お前ら」
「…まぁ、確かに。藍堂以外は、無理だな」
「え、ノロケ?」
「は、ちげぇよ!」
「今の、藍堂に聞かせてぇな」
「やめろ」
にやにやとからかってくる二人。言わなきゃ良かった。
「てかさ、俺と永野のが先に付き合ったのに、榊原と田渕のがラブラブってのがなんか悔しい!」
「お前らは、デート行かないのか?」
「誘っても、面倒くさいって…」
「どんまい」
「元気出せ」
「俺も街で制服デートしたり、ラブホでイチャイチャしてぇよ!」
喚く久我に呆れる榊原。
永野はインドアだから仕方ないと思うが、相変わらず久我は不憫で可哀想だ。
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