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第3話

優成…!助けて…怖いよ… 怖くて目を瞑る。さっきより鮮明に優成の声が聞こえる。怖かったが目を開けることにした。 「茜!良かった…!良かった…!」 「優成……?」 「どうしたんだよ…!本当に!茜寝ながら泣いてるし苦しそうだし…なかなか起きないし…」 「優成……やだぁ…捨てないで…僕から離れて行かないでぇ…」 僕は泣きながら優成の袖を掴む。これでも…23歳。情け無い…でも…優成が好きだから… 「落ち着け、茜。捨てるわけないだろ!離さないから。だから…大丈夫だよ。」 優成が抱きしめてくれる。ちょっと安心した。今は…優成が守ってくれる。 「で、何があった…?」 「さ、さっき…ね…」 さっきの夢の話を話した。優成は何も言わず、ただ頷いてくれた。話終わったら… 「そうか…幸せになれない…ね…まぁ確かに幸せにはなれないね。」 「え……?な、なんで…僕の事…嫌い…?」 「そんなわけないじゃん!幸せだけじゃ足りないって事。茜を幸せ以上にする。言葉じゃ表せないぐらい幸せ以上にしてあげる。俺の事が頭から離れないぐらいに。」 「本当…?」 「うん。本当だよ。茜がβとか関係ない。俺は茜が好きだよ。茜の性を好きになったわけじゃない。茜が好きだから付き合ってるんだよ。」 「優成…」 「大丈夫だよ。」 「ありがとう…ありがとう……」 「いいよ、お礼なんて…。俺は茜の彼氏だよ?それに全部本当の事だよ。」 「ありがとう…優成…大好き…」 「俺も大好きだよ。茜。…………寝られそう?」 「わ、わかんない…」 「抱きしめたまま寝よう。そうしたら少しは安心して寝られるかもだし。」 「うん…」 「おやすみ。茜。怖くなったらいつでも起こしてね。」 「ありがとう…!おやすみ。」 優成に抱きしめられたまま眠る。安心して眠れそう。優成を好きになって良かったな…

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