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第11話
会社にて…
「茜くん、これとこれ。今日中によろしく。」
「は…はい…」
「1人でやりなさいよ。」
「はい…」
「じゃ。」
「茜、大丈夫?」
「うん!なんとか終わらせる。」
「どうしても無理そうだったら言ってね?」
「うん。分かった、ありがとう。」
今日は押し付けを気にするより、他に気にしなきゃいけない事がある。
[お昼休憩の時間です。仕事が落ち着いた人からお昼にして下さい。]
アナウンスが響く。
「茜、ご飯食べに行く?」
「うん!行く。その前にトイレ行ってくる。」
「付いてく。1人にすると心配だし。」
「ありがとう。」
「じゃここで待ってるね。」
「分かった!」
トイレの外で待ってるから安心…
この会社は全個室だからそんなに襲われる心配はなさそう。
トイレを済ませて、扉を開けると、目の前に知らない男が立っていて、
強引にトイレに閉じ込められる。でも、鍵は掛けられていない。
「大人しくしてろよ。」
そう、男は行って服を脱がそうとする。咄嗟に
「嫌っ!辞めて…」
と、結構大きい声で言ってしまった。男は血相を変えて服に手を掛けようとする。
脱がされるかと思った瞬間、男が後ろへ飛んで行く。
「まー…くん…」
「お前何をしようとしてた?」
「え…えと…何も…」
「あ?」
「シようとしてました…」
「ふざけんな。お前みたいな奴がいるのが1番ムカつくんだよ。それから!
茜は俺の彼女だから。2度と触れるな。」
「す、すいませんでした!!!失礼しました!!!」
男は去っていく。こ、怖かったぁ…
「あーくん、大丈夫?」
「大丈夫ではないかな…怖かった…」
「個室に隠れてるは予想外。あーくんが大きい声出せたのが奇跡だね。」
「大人しくしてろよって言われたけど…脱がされたくなかったから嫌って声が出ちゃって…」
「でも…助けられて良かった。」
まーくんは優しく抱きしめてくれた。
「まーくん…」
「何?」
「大好き。」
守ってくれてありがとう、の意味を込めて触れるだけのキスを僕からする。
「え…何それ…そんな可愛い事しないで…照れる…」
「ま、守ってくれてありがとう。お礼として…だ、ダメ?」
「いいよ。」
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