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第25話 浴槽の中の悪戯
荒い息を吐きながら、ぷっくりとした唇が射精感に震えてる。
「あっ……嘘……」
郁登が言葉を口にするだけで、咥え込まれた屹立が締め付けられて、背中を電気が走るようにビリビリ感じた。
俺も郁登自身も扱いていない、触れていないのに、その先端は弾くように精液を飛び散らせて、気持ち良さそうに蕩けた顔でイっていた。中に打ち付けられる俺の熱、奥まで抉られた感触と、乳首への刺激に肌を噛まれた痛みに感じていた。
「郁登……お尻だけでイっちゃった?」
「! やっ! あ、ぁぁぁっん」
本人は信じられないって顔をしていたから、まだ収まったまま、ドクドクと脈打っている竿を奥へと捻じ込んだ。隙間なんてないほど締め付けられて、しゃぶりつかれているから、その押し込んだ分、繋がった場所からは熱が溶けて太腿を伝っている。
「中に出されて、感じちゃった?」
「! ちが」
違うわけない。こんな蕩けた顔して、こんなに頬を紅潮させて、濡れた瞳と唇が教えてくれる。感じまくって扱かれずにイったんだって。乳首だってやらしく尖らせたまま、孔だって、少しでも奥へと突き入れてしまえば、中から溢れ零れたものにさえ感じている。
「抜くよ……」
名残惜しい郁登の中、まだもっと繋がっていたいけど、見てみたくて、その欲望に従った。そこからゆっくり舐めるみたいに引きずり出したら、トロリと流れ落ちて太腿を汚す白い糸。
どこもかしこも濡れた郁登の身体を見てみたくて、中から抜いたそれは、そのやらしい光景にまたドクンと反応してしまう。
「このままシャワー浴びよう」
「はっ? せ、狭いだろっ!」
「だってお互いにぐちょぐちょに濡れちゃってるじゃん。別に湯船溜めずに立ったまま、シャワーだけ入ればいいでしょ」
セックスの名残がある身体のまま、どちらかが先に風呂に入っているのを待つっていうのもちょっと、なくらいに濡れた身体なんだ。このまま流し合ったほうがいい。それを郁登もわかっているけれど、どこかゴニョゴニョと口の中で文句を言っている。
その姿でさえ可愛くて、ツボを押しているって知らないから、余計に可愛い。
「平気だよ。悪戯しないから」
「い、悪戯って! まるで子どもみたいにっ!」
「はいはい、子どもはお尻だけでイったりなんて出来ないから」
自分も男だから、そこを扱かれずにイけるっていうのがどんななのか、逆に想像出来ないから興奮する。俺のを中で感じた刺激だけで射精するくらいに、郁登は気持ちが良かった。乳首を俺にいじられるとたまらない顔をするくらいに、感じまくっている。あの顔を見たことがあるのはきっと俺だけだと思うと、ゾクゾクしてたまらない。
シャワーのお湯が温まったのを指先で確認してから、郁登を浴槽の中へ誘った。手を伸ばすと、少し怪しんでから、ちゃんと手を繋いでくれる。
「今日は爪痕が付いてないから沁みないや。つまんない。バックだと背中を引っ掻いてもらえない」
そのことをシミジミと言葉にしたら、面白いように頬を赤くしてくれる。浴槽の隣にある棚からボディソープを出して、それを掌で広げる。自分の身体にそれを塗って洗っていると、郁登も安心したように、自分の身体を洗おうとボディーソープに手を伸ばした。
さっき、俺が呆れるんじゃないかと、玄関で激しく求めてきたくせに、こんな場所で立ったまま、後ろから突かれてイったくせに、シャワーを一緒に浴びて、本当に身体を洗うだけだと信じてしまう純粋さがたまらない。妖艶にセックスを貪るのに、次の瞬間には日向育ちの無垢な部分を見せてくる。
「郁登、俺の洗って?」
「え?」
「俺が郁登の洗ってあげるから」
「は? え? あ、ちょっ、やっ……ァん、あァ」
素直な声が艶を帯びる瞬間を堪能したかった、なんて言ったらきっと怒るんだろうな。
「あっ! 健人、指が、ァ……ん」
抱き締めるように、向かい合ったまま、片手で尻の肉を広げて、もう片方の手を滑り込ませる。中指と人差し指、二本を同時に中へと挿れたら、ゾクゾクして熱くなるくらいに潤んでいた。
「すごい……柔らかい、中に出したの掻き出してあげるから、郁登は俺の洗ってよ」
「ひゃァ……ァ、指、ン」
「扱いて洗って」
眩暈がするくらいに気持ちがイイ。中を指で掻き混ぜる度に聞こえる甘い啼き声、抱き締め合って、密着した肌の間にはシャワーのお湯も入り込めなくて、その下で郁登の掌に扱いて洗ってもらっているそこを、ヌルヌルとした泡の中で、何度も今さっきのセックスを思い出すように腰を動かしてしまう。
「は、ァ……郁登……」
「ちょ、洗うんじゃなかったのかよ」
「だからちゃんときつくして、洗ってよ」
「変態っ! あっやァァァっ!」
いいよ、変態で、郁登の掌を堪能しながら、変態って罵られるのも最高に気持ちがイイから。
「初めて言われた、変態って」
「え? あ、ン、ダメ、健人、そこはっ」
「郁登のは前も後ろも俺が洗ってあげる。こっちに来て」
浴槽の中に座り込んで、郁登を誘うと、もうそこをしっかり天に向けて勃たせた、郁登の瞳が濡れてた。
変態、って呟きながらも、俺の腰を跨いで馬乗りになってくれる。少し身体を浮かせた状態で、背中にはシャワーのお湯が打ち付けられながら、身体の奥を指で何度も掻き出された。俺の吐き出したものを熱いお湯と一緒に流しながら、前は泡がどこかねっとりとしている気がする。
先端を親指で何度もクリクリと撫でて、郁登が嬌声を上げて、腰を振ると、掻き出すように上下していた指に中を擦り付けているみたいだ。
あられもない声を上げながら、俺のをうっとりと見つめて扱く姿はやらしくて、これだけのことで充分過ぎるくらいに興奮してしまう。
「あ、健人、また、イくっン」
「俺も、郁登の手の中に出していい?」
「あ、あ、あ、指、もっと奥にして、も、もっと、あンっ!」
指じゃないものを欲しそうに腰を揺らめかせている。ダメだよ、それじゃ俺は際限なく、あんたが欲しくておかしくなる。中に放ったものを掻き出したいのに、これじゃもっと溢れるくらいに、郁登の中が俺でいっぱいになる。
「ヤダ、ァ、ン、これがいい、お願い」
「もう……やらしい人だ」
腰を上げて、指を自分から抜いて、そのまま俺の身体の中心へと沈み込んだ。
「っ郁登!」
「あ、あァ、も、大きい」
「そりゃ、そうでしょ、郁登に扱いてもらって、もう限界なんだ、から」
言葉が詰まるくらいに、やらしい孔の中は熱くて、シャワーが打ち付ける肌はピンクよりも、その赤を濃くしながら、水滴すら弾いている。綺麗な身体。
「犯罪、でしょ、これ」
こんな身体をしておいて、水泳部の顧問なんて、ホントよく出来たよ。欲情してくださいって言っているようなもんだ。
「あ、あ、奥っあっ! 健人、ン」
「っ」
激しく腰を振って、俺の上で踊るような郁登は、シャワーのお湯を身にまとって、まるで人魚みたいだ、なんてうっとり見惚れてしまうほどに、綺麗だった。
「郁登、イくっ」
「あ、ンっ! 俺も、もう、イく、イくっ!」
グッと力を込めて、郁登の身体から自分の屹立を引き抜くと、甘く切ない声を上げてくれる。そのまま郁登のと俺の、両方の屹立を擦り合わせて、ほぼ同時に達した。
「あ、ン……健人……」
自分の名前を呼ばれるだけで、心臓が止まりそうなほど、全身が反応する。
「郁登、やっぱり郁登以上には……」
好きな奴を見つけられそうにない、そう告白しようと思ったけれど、重なって、絡まった唇に全部を持っていかれた。舌を絡ませながら、何度も喉を鳴らして、唾液を飲み込む郁登の頬には弾けた白い蜜が伝っていて、また俺はバカみたいに煽られていた。
「これじゃ、ここから出るのも大変だ」
そう囁いたら、郁登の甘い声が耳を擽っていた。
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