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第30話 完全防音って素敵
「あっ! ン、嘘……ぁ」
郁登は達したばかりの身体が気持ち良さそうに、俺を飲み込んでいくのを感じて驚いている。息を飲むほどに柔らかくて、きつい、郁登の体内が俺を喜んで受け入れてくれるのを感じて、身体の中からどんどんと熱が高くなっていくのがわかる。
ゆっくりと郁登の身体が沈み込む。自分の中心を俺で固定するみたいに、腰を下ろしながら、跨っている俺にぎゅっとしがみ付いた。
「っすごい……郁登の中っ」
俺の上に座ってぎゅっと抱き締めてくる腕と同じように、郁登の中がきゅっと締め付けてくる。
「やらしい、先生」
「や、ぁっバカ! 健人がや、らしいン、だろっ!」
俺はやらしいよ。郁登のこんな姿が見たくて、一日中、その機会が早く巡って来ないだろうかって、ずっと待っていたんだから。
音楽準備室で、座った俺の上にやらしい身体で跨って、気持ち良さそうに唇を震わす郁登が可愛い。こんな場所で、こんなに感じまくっている姿にやばいくらいに興奮する。
「郁登……」
名前を呼びながら、震える唇を舐めたら、感じた身体がキュッと締め付けた。
「動くよ」
「あっ、待っ……んんっ! あ、あ」
腰をしっかり持って、そのまま下から突き上げる。濡れた音と一緒に身体が激しく上へと跳ねると、今度は沈みながらもっと深くに咥え込んで、俺をそのやらしい奥へと誘ってくれる。
目が合ったら、濡れた瞳が綺麗だった。
男のくせになんでこんなに綺麗なんだよ。うっとりといつまででも見つめていられる。いつまででも触っていられる。
「健人っ! 深っ! あ、ァ!」
「郁登が奥に擦り付けてるくせに」
自分から水泳で引き締まった腰を振って、気持ち良くなれる快感の粒へ、刺し貫いて、突き上げる先端を押し付けてる。激しく貪られながら、目の前で誘うように踊る乳首に口付けた。完全防音だから、いくら郁登が啼いても誰にも聞こえない。こんなやらしくて、ゾクゾクさせられる、艶のある声を他の奴になんて、もったいなくて聞かせてなんてやるわけがない。
乳首、本当に敏感だね。
そう口に含んで、舌で突付きながら囁いたら、喘ぎ声と中の締め付けがよりいっそうやらしくなった。
「あ、あ、あ、奥が……すご」
「気持ちイイ? 中、とけちゃってる」
気持ち良くないわけがない。俺と郁登の間には、先走りをトロトロに垂れ流して、濡れて光る屹立がある。一目瞭然でわかる興奮の印に手を添えたら、それだけで、引き締まった身体が背中を反らせて喘いだ。
グリグリと郁登がおかしくなってしまうって、気持ち良くなるポイントを先端で押し潰すと、手の中にある屹立はもっと蜜を溢れさせて、指の一本一本まで濡らしていく。
「やらしい……」
本当に困った先生だ。こんなに乳首を尖らせて、こんなに細い腰を踊らせておきながら、なんで水泳部の顧問なんて引き受けるんだろう。
「あ、あ、あ、そんなに、奥、突かれたらっ」
「イきそう? 俺も、もう限界」
突き上げる動きが自然と激しくなってしまう。ぐちゅぐちゅに繋がった場所から聞こえる水音は、完全防音になったこの部屋で、思う存分響き渡っている。
聞かせたくないけど、聞かせてやりたい気もした。この姿は絶対にダメだけど、こんな音がするほど乱れたこの人は俺のものだって、音だけ聞かせながら、自慢してしまいたい。
「あっあァァっン、健人、そこ」
「好きだよ」
この人を抱けるのは俺だけだって、全員に教えたい。だから誰もこの人に手を出すなって。
「ん、ん、ァうっ! あ、健人、イくっ!」
「中でイかせて」
「あ、ン、ダメ、おかしくなるっんく、ァ、あ!」
おかしくなって欲しくて、腰に指が食い込むほど、強く押さえつけながら、衝動のままに中を抉った。
ビクビクと跳ねる身体は俺にしゃぶりつきながら、ぐちゅぐちゅに濡れた掌の中へ突き入れるように、腰を振って、やらしくくねっている。
「あ、あ、あァァァっ…………んっ!」
熱い、中にある興奮を外に逃がすみたいな呼吸を一瞬だけ、お互いに詰まらせて、達したのはほとんど同時だった。
ドクドクと打ちつけるくらいに、郁登の中を満たしていく。それを感じた内壁が唇をすぼめるみたいに、きつく締め付けて、飲み込んでいかれる気がした。
止められない――そのくらいに甘くて柔らく濡れた郁登の中に捕らえられて、眩暈するほどの達成感に切なくなる。
「郁登、好きだ。二回目なのに、こんなにイっちゃう、やらしい郁登が好きだよ」
「あ、も、バカ……へ、んたい」
そんな甘い声で悪態をつかないで。そしてそんなにやらしく締め付けないで。中で感じる俺の熱に、郁登が喜んでるって思って、余計にまた襲い掛かりたくなるんだから。掌に吐き出された郁登の蜜がトロトロと逃げ出して、そのまま繋がった場所へと伝うように落ちていくのを見ていたら、頬を包んだ郁登の手に上を向かされた。
「あ、ンっ……バカ……気持ち良すぎ」
そう言いながら、優しいのに興奮の残った濡れた瞳がそそる郁登の優しい口付けに、また虜になってしまう。あやすようなキスなのに、和むごころか、癒されるどころか、そそられて、中に収めたままの屹立を抜くんじゃなくて、もっと奥へと突き刺した。
「や、あァァァんっ!」
「すごいトロトロ……溢れてる」
俺の吐き出した熱、郁登の吐き出した蜜、色々なものが混ざり合って、まだ繋がったままの場所は、見なくても、触れただけで興奮出来るくらいに卑猥になっていた。
「こ、こんな場所で、何してんだ!」
「えー?」
真っ赤な顔して怒っている郁登は、全然怖くないって知らないんだろうか。襲ってくださいって言われているんだと解釈出来るくらいに、色っぽいんだけど。体育教師って大半が怒ると怖いのに、こんなんで、本当に男子高校生とかをちゃんと指導出来てるんだろうが。
「でも、そんな場所で思いっ切り、精子飛ばして、俺のシャツに染み作ったのは誰ですか?」
「!」
「染みっていうか、もうぐちゅぐちゅで着れないので、代わりにTシャツを借りることになってしまったんですけど?」
「!」
「あ、それと、Tシャツを貸したことで、素肌にジャージとか、ものすごくやらしい格好して、しかも乳首を勃たせている先生のほうが変態」
「ギャ――――!」
そんなやらしい格好をした郁登が、俺に襲い掛かると、慌てて口を手で塞いでいる。
「とりあえず、車で送るからね」
「い、いいって!」
そうはいかないでしょ。いくら家が近いからって、ジャージを素肌に着ているだけの露出狂みたいな格好のまま、こんなやらしい身体をした郁登を帰せるわけがない。
ニコッと笑顔で、遠慮しようとする郁登を無視して、自分の荷物を手に取った。
いいからって、まだ自分ひとりで帰ろうとする郁登の腕を取って、乳首をツンと爪で弾いたら、セックス直後で敏感な郁登の身体はしっかりと刺激に反応している。
「っ! も、バカ! 変態!」
「だから変態は乳首を」
そこで言葉を掻き消そうと大きな声で郁登が叫んだけれど、その声も、完全防音のこの部屋では他の誰にも聞かれずに、俺だけが堪能することが出来た。
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