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第10話★

 時間をかけて舌を絡め合わせた後、そっと唇を離した。森本と至近距離で見つめ合う。森本の額に自分の額を合わせて、ぼそりと呟いた。 「ずっと、欲しかった」  森本が微笑んだ。首を伸ばして、そっと倉田へキスをした。そのまま首筋に唇を滑らせていく。舌と唇で少しずつ倉田の体を愛撫しながら、ゆっくりと降下していった。  倉田の胸の飾りを倉田が森本にしたのとは対象的に優しく口に含んで、舌先でじっくりと転がした。同時に森本の手が倉田の体を這う。愛おしそうに体に唇を押しつけながら、森本が倉田のスーツのベルトを外していく。  倉田のそれは完全に大きくなっていた。さっき萎えてしまっていたのが嘘のように。  森本は跪いて、スーツを下ろすと、倉田のそれを下着の上からそっと咥えた。少しだけ強弱をつけて前後に動く。  倉田の体の熱が上がっていく。軽く愛撫されただけなのに、我慢できずに先走りが下着を濡らした。森本が、ふっと笑って、口を外した。 「汚れてしまいますね」  そう言って、森本が倉田の下着を優しく下ろした。今度は直接、じっくりと舌を使って攻められる。舌先で倉田の先走りを舐め取りながら、倉田の自身を口内へと納めていった。そして再び扱き始める。  最初はゆっくりと、徐々に早く。時々、森本の口から吐息が漏れた。  あまりの気持ち良さに、倉田は目を閉じて森本の動きに集中する。男のくせに、なんでこんなに上手いんだ、と疑問が微かに頭をよぎったが、それも一瞬だった。  森本の女だか男だかの遍歴なんて知らないのだから。上手かろうが、下手だろうが、関係ない。森本が倉田にしているというこの事実が、倉田にとっては重要なのだ。  あ、もう限界。  そう思い、合図のように森本の髪をそっと掴んだ。森本はそれを理解したのか、抽送を早めていった。 「あっ……イクっ……」  堪らず声に出した瞬間に、倉田の欲は森本の口内へと吐き出された。森本はそれを、目を閉じて全て受け止める。舌で周りに付いた欲も舐め取りながら、離れていった。そしてそのまま口に入った倉田の欲を飲み込んだ。  少し照れくさそうに上目遣いで見上げる森本に、倉田の興奮は収まらない。すぐに森本を引っ張り上げて、唇を奪う。森本が慌てて唇を離して倉田に訴えた。 「ちょっと、待って下さい。1回ゆすがないと。俺の口の中、苦いですよ」 「そんなの、大丈夫です」  そう言って、無理やり舌を森本の口内へこじ入れた。 「んんっ……ん……」  森本は諦めたのか、直ぐに倉田の舌を受け入れた。

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