20 / 132

第2話 ⑨★

 目の前にはキスを中断してじっとこっちを不機嫌に見つめる樹の顔。 「ああ、ごめん。考えごとしてた」 「……俺のキスに集中してないって、どういうこと?」 「ちょっと、自分の内面と向き合ってたっていうか……」 「は? なにそれ。意味分かんねー」  そう言って、樹が首筋に舌を這わせてきた。と同時に、両手で圭介の乳首を弄くり始める。 「あっ……」  軽い快感が体を走って、思わず声が出た。自分の声に呼応するように、乳首の先が尖り出す。ふっ、と樹が首元で笑った。 「もう立ったな」 「うっさいっ……ちょっ……あっ……」 「3ヶ月じっくり弄った甲斐があったわ。圭介の乳首、こんな敏感に感じるようになったし」 「お前のせいだし……んっ……」 「俺のおかげだろ。圭介がこーんなにエロくなったの」 「エロくないって!」 「エロいじゃん。ほら、ここもビンビンだけど?」 「言うなってぇ!」  確かに。乳首を弄られるようになって3ヶ月。圭介の感度は確実に上がった。まるで女みたいに(女になったことがないので比較はできないが)。かつて圭介が付き合ってきた彼女たちがなぜ胸を愛撫すると喜ぶのか理解できるようになった。  それを恥ずかしいと思う自分にますます体が反応して、熱くなる。自分のアソコも、そんな自分の羞恥心になのか、はたまた樹の愛撫がうまいのか、すぐに元気に反応するようになった。

ともだちにシェアしよう!