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第5話 ②

 由奈や周りには、現在圭介のアパートには友達がいて、その友達と大げんかしてしまいしばらくは帰りたくないと説明した。圭介のアパートなんだから追い出せば?と荻に言われたが、もちろんそういうわけにもいかず、その友達も今一文なしで行くところがないから、ということにした。  「すぐに夕飯の準備するね」  由奈がそう言って、台所に立った。そんな由奈の後ろ姿をぼうっと見る。  由奈は予想以上に圭介によくしてくれた。ご飯の支度や洗濯物など、圭介がしなくていいと言っても、ついでだからと嫌な顔一つせずにしてくれる。 「あ、そうだ。明後日、また美貴のところ行ってくるね」 「ああ、うん」 「1泊したら帰ってくるから」 「分かった」  美貴は由奈の高校時代からの親友だ。圭介はまだ会ったことがないが、同じ都内の別の大学へ通っているらしく、由奈は2週に1度ぐらい美貴ところへ泊まりに行っているそうだ。  圭介が一緒に住み始めてからは今回が2度目の外泊となる。圭介的には居候の身であるし、由奈が美貴ととても仲の良い様子は由奈の話からも分かったので、外泊について全く抵抗も何もなかった。

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