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第5話 ㉚★

 樹の唇と手が圭介の体を優しく滑る。再び圭介の体が火照ってきた。自然な動きで、樹が圭介の両脚をぐっと持ち上げた。 「挿れるわ」 「ん」  下半身にぐぐっと圧力がかかった感覚がして、ずずっと何かが圭介の中に入ってくるのが分かった。指で解されていたせいか、痛みもない。奥まで入ったなと思った瞬間、樹が抽送を始めて、圭介の体も樹と一緒に揺れ始める。 「あっ……あっ……」  さっきイったせいか、突かれる度にジンジンと快感が圭介の体を駆け巡る。あまりの快感に思わず樹の首へ腕を絡めてぐっと力を入れた。 「はっ……あっ……」 「俺もイくわ」  そう言って、樹が抽送を早めた。激しく打ち付けられる。 「あっ、あっ、ちょっ……」  気持ち良すぎる。  相性、というものがいいのだろうと思う。樹の体と。圭介の器が樹をしっかりと受け止めている感じが心地良い。 「んっ……」  樹が小さく声を上げた。その瞬間。何か温かいものが圭介の中に入ってきたような感覚がした。

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