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最終話 ㉝★
舌の動きを止めぬまま、樹が手を伸ばしてベッドの上にあったローションを掴んだ。左手で器用にそれを開けて、右手の掌にたっぷりと落とす。
その樹の右手が下へと滑り落ちてきた。圭介の後ろを探り当てると、焦らすように周りを撫でる。ローションの冷たく蕩けるような感触に一気に熱が上がる。
「圭介のここ、ピクピク」
「あっ……だって……焦らすからじゃんっ……」
「前も我慢できねーみたいだし? さっき、イッったばっかなのに」
樹が乳首から舌を外して体を上げた。左手で圭介のアソコを掴み扱き始める。右手は圭介の後ろ周りを執拗に責め続けた。
「はっ……やっ……たつき……」
「嫌?」
「嫌じゃ……ないっ……けどっ……」
「けど何?」
「早く……樹と……繋がりたい」
「…………」
「うあっ」
樹の指がいささか乱暴に中に入ってきた。ぐりぐりと中を掻き回される。部屋の中にローションが擦れる音が響く。
「もうちょっと我慢な」
「あっ、んっ、んんっ!」
いつもより少し乱暴に指が中で蠢く。その焦りにも似た動きに、樹も余裕がないのだと分かり、なんだか可笑しかった。思わず喘ぎながらもふふっと笑ってしまう。
「何笑ってんの?」
「え? だって……樹が余裕ないの、珍しいから」
「……そう言う圭介は随分余裕じゃん」
「そんなこと……あっ、やっ、ちょっ」
樹の長い指がぐっとギリギリまで押し入ってきた。
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