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最終話 ㊲★

「分かんないけど……ただ、分かるんだって」 「…………」 「だからイきたい。樹と繋がって終わりたい。そんで早く会いたい。次の世界で。樹と」  樹が、口角を少し上げた。再び2人の体が動き出す。 「あっ……あっ……」  途端に熱が戻ってきて、ジンジンと体が痺れてくる。どくんどくん、と心臓の音が聞こえる。弱々しく鼓動を打っている。  あ、もうイく。  両腕で樹を力一杯抱き締めた。耳元で囁く。 「樹……愛してる」  だから。  そっと、樹の顔を両手で包んで引き上げた。目の前の綺麗な男の顔を見つめる。ニコリと微笑んだ。 「またね」  樹が微笑みながら顔を近づけてきた。優しく唇が触れる。それと同時に、覚悟を決めたように樹が抽送を早めた。 「んっ、んっ、んっ、んんんっ……」  今までに味わったことのないような快感が体中を駆け巡った。と同時に、自分の中にあるエネルギーが急速に抜けていくのを感じた。  視界が薄れていく。  心臓の音が聞こえる。  それが、やがて小さくなっていく。  樹の唇の感触を感じたまま。  ゆっくり、ゆっくり。意識が遠のいていく。  樹。  樹の笑顔が頭に浮かんで、そして、完全にそこで全てが暗転した。

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