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第一章・4
「よ~し、これで新歓稽古を終了する」
「早く帰れよ」
「動けたら、の話だけどな」
1年生たちは皆、仰向けに転がって苦し気に息を吐いている。
帰りたくても、帰れない。
動きたくても、動けないのだ。
下半身を傷めつけられ、立って歩くこともままならないのだ。
瑞樹も皆に混じって転がっていたが、そこを2年生に無理やり立たされた。
「白川、お前は休憩室へ行け。3年生の先輩が、待ってる」
「3年生が?」
今度は3年生から新歓稽古をつけられるのだろうか。
しかし、僕だけ、という点が気にかかる。
(一度、脱落しかけたからかな)
どうか、酷い目に遭いませんように。
しかし瑞樹の祈りは、天に届かなかった。
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