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第三章・4

 瑞樹が草刈りを始めて、1週間が過ぎた。  始めた頃は永遠に終わりのない苦行のようだったが、何とか荒れ地を開墾した。 「そこで、叶さんに提案があります」 「何だ?」 「前庭に、芝生を敷きましょう。もう二度と、あんなことのないように」 「芝、か」  庭が人工的に見えるので、気が進まない誠だ。  しかし、瑞樹は押した。 「芝で抑制すれば、もうあんなにたくさんの草の命を絶やさずに済みます」 「なるほど」  白川くんらしい考えだ、と誠はうなずいた。 「解った。芝の種類は、任せる。好きなものを植えていい」 「ありがとうございます!」  さっそく瑞樹は、パソコンで芝を取り扱う業者のサイトを検索した。 「ノシバは在来種だから強いけど、冬に枯れちゃうのが寂しいな。コウライシバにしよう」

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