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第四章 怖くないから
私の部屋だ、と通された誠の私室は意外にシンプルだった。
モノトーンを基調とした家具類に、無地のカーテン。
ただそこは、いくつものドアで仕切られていた。
「こちらがキッチン。使ったことはほとんどないが。こちらが書斎、こちらがバスルーム、こちらが……」
一つの部屋で、充分に独り暮らしができるような誠の部屋に、瑞樹は驚いていた。
(さすが、若様……)
そして、最後に。
「ここが、寝室だ」
入るように促され、瑞樹はそろそろと中にお邪魔した。
ベッドメイキングはきちんとされており、こういった点はお屋敷の誰かが行っているのだろう。
「すごいですね、こんなに広いお部屋で……うわぁ!?」
振り向いた瑞樹は、腰を抜かしそうだった。
そこにいる誠は、全裸になっていたのだ!
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