27 / 67

第四章 怖くないから

 私の部屋だ、と通された誠の私室は意外にシンプルだった。  モノトーンを基調とした家具類に、無地のカーテン。  ただそこは、いくつものドアで仕切られていた。 「こちらがキッチン。使ったことはほとんどないが。こちらが書斎、こちらがバスルーム、こちらが……」  一つの部屋で、充分に独り暮らしができるような誠の部屋に、瑞樹は驚いていた。 (さすが、若様……)  そして、最後に。 「ここが、寝室だ」  入るように促され、瑞樹はそろそろと中にお邪魔した。  ベッドメイキングはきちんとされており、こういった点はお屋敷の誰かが行っているのだろう。 「すごいですね、こんなに広いお部屋で……うわぁ!?」  振り向いた瑞樹は、腰を抜かしそうだった。  そこにいる誠は、全裸になっていたのだ!

ともだちにシェアしよう!