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第四章・4
気が付けば瑞樹はベッドに横たわり、誠に髪を撫でられていた。
時折、胸元の乳首に指がかする。
それすら心地よく、ただ泣きながら誠に告白していた。
「それで、父さんは。それは僕に隙があるからだ、って。僕がΩだから、って……」
「可哀想に。酷い目に遭ったな」
そして、誠はそっと瑞樹にキスをした。
「ぅん……」
優しく触れられた唇は、温かく柔らかく。
瑞樹は、初めてのキスを穏やかに受け入れた。
いい匂い。
叶さんの口から、ミントの香りがする。
なだめられて、温かなキスをして、瑞樹はなんだか眠たくなってきた。
「お昼寝、しようか」
「はい……」
「夜は、付き合ってもらうよ」
「は、い……」
誠に抱かれたまま、瑞樹は安らかな眠りに就いた。
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