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第四章・6

「来てくれたか」 「はい」  夜の誠に会うのは、初めてだ。  彼は浴衣姿で、グラスを傾けていた。 「ウイスキーだ。白川くんも、やるか?」 「いえ、まだ未成年ですから」  そうか、と強いることなく誠はグラスを置いた。 「では、寝室へ」 「は、はい……」  足がすくむ。  目が回る。  よろよろと、瑞樹は誠の後を追って寝室へ入った。  大きなベッドに腰かけると、誠はやんわりとその肩に手を掛けて横たえて来た。 (うう。怖いよぅ)  きゅっ、と眼を閉じて息を詰めていると、耳元で誠が囁いて来た。 「逃げ出さずにいてくれて、感謝する」 (逃げ出しても、よかったの!?) 「前の子たちは、すぐに逃げ出していたからね。長くて3ヶ月、よく持った方だ」

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