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第四章・7

 そうか、と瑞樹はそこで理解した。  以前石丸さんが、嘆いていたっけ。 『前の方は、一ヶ月で辞めてしまわれた。その前は、二ヶ月。そのまた前は、三ヶ月……』  きっと誰もが、叶さんのお相手を務めるのが嫌で、辞めて行ったんだ。  では、僕は? 「私の性欲処理に使われるのは、いやか?」 「え、えっと。性欲処理、って言葉が、ちょっと」 「なら、何と言えばいいのだろう」 「何でしょう?」  ふふふ、と誠は笑った。 「面白いね、白川くんは」  ああ、その笑顔。  僕は、この叶さんの笑顔が大好き。  一見冷たい印象の人だけど、草刈りで命を落とす植物の悲しさを解ってくれる、あったかい心が大好き。 「大丈夫か? 君を抱いても」 「たぶん、大丈夫、です。大丈夫だと、思います」  好きな人になら、抱かれても平気。  そう、瑞樹は考えるようになっていた。

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