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第五章・5
「白川くんに、新しい仕事を手伝ってもらおうと思う」
「はい」
いい返事はしたものの、瑞樹はドキリと汗をかいた。
(性欲処理の次は、何……?)
「温室の仕事だ。ついてきなさい」
「良かった……」
「何か言ったか?」
「あ、いえ!」
誠の後を、瑞樹は慌てて追った。
温室は、これまで近づいてはならない禁忌の場所だった。
遠くからでは木立の陰で見えず、瑞樹はいつもその存在が気になって仕方が無かった。
「ここが、私の温室だ」
「う、わぁ……」
誠の温室は、瑞樹が想像していたそれとは大きく違っていた。
高い天井の、強固な温室。
まるで、ガラス張りの一戸建てのようだ。
「凄い」
瑞樹は、初めて見る巨大な温室に感激した。
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