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第七章・3

 食欲減退、意欲減退。 「そして、性欲の減退、と来たか」  強靭な心身を持つαとはいえ、最近参ってきているのは自分でも解る。  誠は、ウイスキーを置いて溜息をついた。 「これはいよいよ、鬱病かな」  新しくできた、バラの蕾。  あれが開くのが、怖い。  あれが咲いて、また落胆するのが怖い。 「楽しみにしているのは、白川くんくらいなものか」  いつも明るい、助手の少年。  私のダークサイドを知りながら、逃げずに傍に居てくれる可愛い瑞樹。 「瑞樹?」  白川くん、ではなく、瑞樹、と考えたのか? 私は。 「バカな。彼は、あくまで助手だ」  そして、性欲処理の肉体だ。  軽く首を振った時、ドアがノックされた。

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