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第七章・4

「誰だ」 「叶さん、僕です。白川です」  こんな夜更けに。 「今夜は、呼んではいない」 「あの。ちょっとだけ、お部屋に入れてもらえませんか?」  珍しく、押して来る瑞樹だ。 「入りなさい。鍵は開いている」 「ありがとうございます」  そっとドアが開き、瑞樹が入って来た。  それと同時に、かすかに甘い香りがした。  瑞樹が近づくにつれ、その匂いは強くなるようだ。 「白川くんは、コロンを付けていたか?」 「いいえ、いつもは付けません」  いつもは、ということは、今は付けているというのか?  にっこり笑う瑞樹が、やけにコケティッシュに見える。 「今夜は、特別なコロンを付けてます」  そして、彼の方から誠に口づけて来た。 「叶さん……、抱いてください」  熱く甘い、吐息。  思考が痺れるような、囁き。 「白川くん。君、発情してるのか」 「当たりです……」  紅い舌で、瑞樹は誠の唇をちろりと舐めた。  フェロモンと言う名のコロンを纏い、瑞樹は誠を誘いにかかった。

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