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第2話

程なくして結城はいかにもΩらしい容姿の一学年下の男の子と寄り添うようになった。 愛らしい、学校でも有名なΩだった。 自分はバース性が変化したことを結城以外には伝えてはいなかった。 Ωだったとはいえ成長過程の半分はβだったため学力も体力も今は大差ない。偏見や差別のあるΩ性だが、幸い中高一貫校に進学している俺は目下高校卒業まで隠せれば問題なく学園生活を送れるだろうと両親に言われたからだ。 何より、このΩ性は結城のためのものだから 他人に知られる必要なんて自分自身が感じなかった。 珍しいΩを射止めた結城。 彼らが運命の番であるということは学校中の噂になった。 以前の俺と結城の関係を知る友人たちは 俺のΩ性を知らないこともあり 「お前がΩだったら結城と結ばれたかもな」と バース性の前には仕方ない、お前に魅力がないわけじゃないと言ってくれた。 本当は俺はΩで、自分は「運命」に負けたのだなんてとても言う気にはなれなかった。 一度だけ、結城がそのΩと仲良くし始めた時に 「どうして俺がいるのにそいつと仲良くするの」と聞いた。 すると、結城に「あいつは俺の運命なんだ。お前にはもう何も感じられない」とあっけなく言われた。 その言葉に自分は結城にとってもう不要なんだと思ってしまった。 精神的ストレスは、急なバース性変化と相まって俺の体を侵していった。食欲も湧かない、睡眠も取れない。Ωになって何ヶ月が過ぎても発情期が来ない。 病院へ行くとそれが原因で俺は生殖機能である子宮が十分に発達せず機能不全を起こしたことがわかった。自分は種としても不要品だった。

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