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第4話
某所、スタジオ-
「キキ今日も現場一緒だったね」
最近やたら現場がかぶる、人気売れっ子俳優にキキは後ろから声をかけられた。
相模圭一、23歳α。『国民的彼氏』のキャッチコピーでドラマやバラエティに引っ張りだこの人物だ。容姿は派手ではないが国民的彼氏というだけあって万人ウケする顔をしていて、身長も高い。女の子から高い人気を誇っていた。
最近は雑誌の企画でモデル業も始めていた。キキはその雑誌の専属モデルでなにかと一緒になることが多かった。
「お疲れさまです相模さん。今日も撮影よかったですね」
当たり障りのない返しをする。キキは少し相模が苦手だった。それは相模が手当たり次第に現場のΩや可愛いβに声をかけているからだった。それ以前にあまりαとは一緒にたくないキキなのだが、例に漏れず相模は会うたび食事に誘ってくる。
「そんなこと言って、一回も俺と食事行ってくれないじゃん!今日こそ行こうよ!」
(そういうところが苦手なんです。平然とタメ口で話してくるけどだいたい僕君より年上なんだよな…)
愛想笑いで返しながら今日は何て断ろうかと考えていると、横にいたモデル仲間が会話に入ってきた。
「キキ相模さんとご飯行くの!俺もご一緒していいですか?」
「俺はもちろん、キキさえよければ」
「え、ちょっ、」
会話を漏れ聞いた周囲がそれならばとどんどん増えていき断る雰囲気ではなくなってきた。キキも一度くらいなら、仕事の付き合いだしと思い、なくなく食事に行くことにした。
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