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「ふっ……ううっ」  口をすぼめて強く吸われ、尿道を舌で刺激されれば、抑え切れない細い吐息が鼻に抜けて出てしまう。 (止めろ!)  逃れられないと分かっていても、プライドがそれを赦せない。不自由な足でシーツを蹴って出来る限りの抵抗をすると、楓の指がサッと動いて陰嚢を握り込んできた。 「グッ! うぅっ!」  今度は悲鳴が口を突く。容赦のない圧迫に、カタカタと体が痙攣してきて高まった熱が一気に冷めた。 「流石に萎えたな」 「ん、うぅ……」  口を離した楓の声に反応できる気力もなく、視線だけを下へと向ければ、笑みを浮かべた楓の掌に一層力が込められる。 「っ!」 「逆らうなって言っただろ? 聞けないなら、俺にも考えがあるけど……それでもまだ抵抗する?」 「んっ……んぅっ!」 (できるわけ……無いじゃないか!)  痛みに顔を歪めながら、歩樹は必死に頷いた。こんな苦痛を与えられて耐え切れる強い人間なんて、そうそういるはずなんてない。 「理解できたみたいだな。そうやっていい子にしてれば気持ち悦くしてやるよ」 「んっ」  ようやく手が離された。安堵して、肩で浅く息をしていると、再びペニスに添えられた手に優しくそこを(しご)かれる。 「っ……うぅ……ん」  交互に襲う苦痛と愛撫で頭がおかしくなりそうだ。 『暴力じゃなにも解決しない』などと素直に思える年ではないが、こんな風に陥落するのは心の底から情けなかった。 「勃ちそうにないな。まあいいか」  独り言みたく呟いたあと、離れた楓が脚の拘束を解いていくけれど、歩樹にはもう抵抗できる力なんて残っていない。着衣を払われ下半身を情けなく彼に晒しながら、せめて感情を殺すために、息を詰め、天井をだけを瞳に映した。  *** 「っ……う」  グチュグチュという卑猥な音が下半身から体内に響き、一点を指が掠める度に身体がピクリと反応する。どれくらい時が経ったのか分からないけれど、短い時間じゃないことだけは、カーテンの隙間から射す陽の光から推測できた。 「っっ!」 「また気を逸らそうとしたろ。三本も指突っ込まれて、ココ大きくしてる癖に懲りないな……兄さんは」  真っ赤に熟れた乳首を引かれて痛みと疼きに歩樹は呻く。手首はベッドに繋がれたまま、伏せに返され膝立ちになるよう強要され……歩樹は這った格好で、後孔を楓に晒していた。 「気持ち悦いんだろ? 犬みたいに腰振って」 「……っ!」 「こんなに垂らして悦がってる」   尿道口を指で擦られ腰が前後に揺れてしまう。枷が嵌まった唇からは、嚥下(えんげ)しきれない唾液がシーツに染みをつくり、まるで本当の犬みたいだと思った歩樹は消えたくなった。

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