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「大分いい具合に(とろ)けてきた。兄さんもそろそろイきたいだろ?」 「っ!」  前立腺を強く掻かれて立てていた膝がガクリと曲がる。 「おっと……休んじゃダメだろ」 「んっ!」  途端にビシリと尻を叩かれて痛みに身体を強張らせれば、指を一気に抜いた楓が後ろから覆い被さってきた。 「イイ声、聞かせろよ」 「うぅっ!」  長い間嵌められていた口枷が取り払われた刹那、アナルに感じた圧迫感に歩樹は前へと逃げようとしたが、肩から首へと回された腕に動きを封じ込められる。 「逃げるな」  耳元で引く囁く声に、身体が勝手に震えだし――。 「ぅっ……っっ!」  アナルをゆっくり貫かれ……圧迫感と痛みに呻いた歩樹の視界は赤く染まった。 「流石、プライド高いな」 「んっ」  かろうじて、情けない声を上げるのだけは我慢したが、それが気に入らなかったのか? 乱暴に胸の尖りを抓られ痛みに歩樹は身を捩る。 「どれくらい、そうしてられるかな?」 「も……よせっ!」  ようやく自由になった口から放った声は痛みに震え、それを嘲笑(あざわら)うかのように喉を鳴らす音が聞こえた。 「冗談、楽しいのはこれからだ」 「っ!」  さっきとは打って変わって優しく乳首を撫でられて、歩樹の身体は意志に反して快楽へと縋りつく。それでも屈する訳にいかないと唇をギュッと噛み締めれば、背後から顎を捉えた指がそこを強く下へと引いた。 「っ……うぅっ」  少し開いてしまった唇に指が入り込んでくる。歯を食いしばって必死に耐えたが楓が次に放った言葉で、歩樹は些細な抵抗さえも続けることが出来なくなった。 「抵抗するなって言ったろ。あんまり俺を手こずらせると、佑樹が痛い目見るかもな。アイツ、男と付きあってんだって?」 (なんで、それを……) 「ちょっと調べればなんでも分かる。佑樹はまだ高校生だろ? 出来れば手は出したくないけど」 「佑樹には、手を出すな。アイツには……」 『関係無い』と続く言葉は差し入れられた二本の指に妨げられて音にならない。

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