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「遠慮すんなよ」
「んぁっ」
ブジーを上下に動かされ、背筋を走る甘い痺れに歩樹の身体はピクピクと震え、同時にアナルを襲った刺激に瞼の裏がチカチカと光った。
「いい声が出てきた」
喉で笑う音がする。小さな異物が身体の中へと挿れられたのは分かったが、それがどういう物なのかなんて歩樹に解る筈もない。
「くぅ……ふっ、んぅっ!」
ただ襲い来る愉悦の波に流されたくない一心で、強く唇を噛み締めたけれど、次の瞬間それも全く無駄な努力となってしまった。
「ほら、鳴けよ」
「んぅっ」
容赦なくブジーを捩込まれる。巧みな手つきで角度を変え、カーブを描いた部分がすんなり竿の付け根の奥の方まで深く入り込んできて――。
「あっ……やっ、あぁっ!」
「悦いトコロに当たった?」
前立腺をブジーに擦られ、まるで射精したかのように尿道口やアナルが勝手に伸縮を繰り返す。
「やっ、あぁっ」
薄く開かれた唇からは、無意識に……媚びたような声が出た。
「やっ、ゔぅっ……か…楓っ」
「前と後ろ、両方気持ちイイだろ」
後孔へと挿れられたのがエネマグラで、それが中の伸縮に合わせ、前立腺を刺激しているのも今の歩樹には理解ができず、初めて受けた過ぎた快楽に、理性が徐々に剥ぎ取られる。
「あ、んぅっ」
のけ反ったために突き出したような形になった乳首へと、強く犬歯を立てられた刹那、誤魔化しようのない嬌声が歩樹の喉を震わせた。
「ココもこんなに尖らせて……ホント、兄さんは淫乱だな。こんな身体してる癖に、タチだったとか有りえないだろ」
馬鹿にしたような声が聞こえるが、今はそれどころじゃない。
「……抜けっ」
先程から射精感は何度も何度も襲ってくるのに、尿道に栓をされているから、達っすることができなかった。
「それが人への物の頼み方?」
「あっ……んぅっ」
朱く色づいてしまった乳首を舌がベロリと舐め上げる。
「兄さん、ちゃんとお願い出来るだろ? もう大人なんだから」
以前自分が告げた言葉を皮肉混じりに使われるけれど、今の歩樹は強制的に注がれ続ける愉悦を受け止めるだけで精一杯だから、そんなことには気づけなかった。
「抜いて、くれ」
「ください……だろ」
「うぅっ!」
もうこれ以上入ってこないと思っていた金属が、更に奥へと挿し込まれ、ビクリと身体が跳ね上がる。
「……いて、抜いて、ください」
屈辱的な一言だったが、そんなことより一刻も早く終わりにしたいと思った歩樹が懇願すれば、笑みを浮かべた楓がペニスの根本を強く握り込んだ。
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