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「あっ、ああっ」  下腹を圧された途端、自身の尿がブジーを伝い、下に置かれた洗面器へとボタボタ落ちて溜まりを作る。その様子に、歩樹を保っていたプライドへと小さくはない亀裂が入った。 「こんな姿、皆に見せられないよな。もし俺から逃げたら……これ、ネットに流すから。兄さんはそれでもいいかもしれないけど、佑樹が見たら――」 「っ……あ、も、許し……」  聞こえてはいるが、彼が何を言っているのかは分からない。 「兄さん、俺の突っ込んで欲しい?」 「ああっ、挿れて……出したい」 「いいよ。兄さんが――て言えたら、俺ので達かせてあげる」  尿が止まったペニスの先から徐々にブジーが引き抜かれ、中を擦られわき上がる愉悦に、頭の中が白くなる。 「んぅ……ホント…に?」 「ああ、約束する」  甘い声音で囁かれれば、訳が分からなくなってしまい、だからこそ、歩樹は楓の求める言葉を忠実に繰り返す。 「――――」 「もう一回」 「ひっ、楓―き、あ…あうぅっ!」  エネマグラを引き抜かれ、排泄感に震える孔を楓のペニスで深く穿たれる。  それだけで……歩樹のペニスは呆気なく白濁を吹き上げた。 「兄さん、まだだよ」 「ひっ、あぁっ……かえ…動くなっ」  やっと訪れた射精の余韻に浸る時間も与えられず、今度は激しく突き上げられて、過ぎた愉悦に身体が過敏な反応を示してしまう。 「絡みついて離さないのはそっちだろ。それに、俺はまだイッてない」 「んうっ!」  脚の戒めを両方外され、そのまま肩へと担ぎ上げられる。一段と深くなった接合に歩樹は腰を引こうとするが、計ったように奥を穿たれ逆に引き寄せられてしまった。 「あっ、はぁ……」  襲う快楽が強すぎて、目の焦点が合わなくなってくる。 「兄さん、気持ちいい?」 「あぁっ……止めてっ」 「ここ?」 「いっ、あぅっ!」  これ以上は感じたくないのに、執拗にいたぶられ、そのうちに、悦楽に溺れた歩樹の意識は切れ切れになっていく。そして(つい)には身中から力が抜け落ち、なすがままに揺れるだけの人形のようになってしまう。

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