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左足首と手首を縛り、右も同様に縛っているから逃れようも無い状態だが、きっと今なら繋がなくても彼は自分から逃げられやしない。
(俺が、そういう風にした)
逃げては駄目だとこの身体には、嫌と言うほど教え込んだ。
(なのに、また……)
この腕から逃げようとした。まるで……心までは支配されないと楓に宣言するように。
「ココ、欲しい? ヒクヒクしてる」
大きく開いた脚の奥、アナルの淵へと指を這わせ、伸縮を繰り返す中へと小指の先を挿し入れる。
「んっ、うぅっん」
「ホント、兄さんはスキモノだな」
まるで小指を取り込むように蠢動するアナルを笑い、一旦そこから指を引き抜くと、まだ慣らしてもいない孔へとローターを押し込んだ。
「っ! うぅっ、んぅぅっ!」
同時に鎖を強く引けば、勃ち上がっているペニスが前後にピクリピクリと揺れ動く。
「昨日、どこに行ってたか話す気になった?」
達するには足りない刺激に喘ぐ歩樹へと尋ねるが……強情な彼が口を割る事はないと内心分かっていた。
***
「強情だな」
苛立ったような楓の声に、歩樹は体を竦ませる。視界の無い状態が……これ程までに恐怖を煽るとは思ってもみなかった。
「じゃあちゃんと言えるようになるまで、一人で遊んでろよ」
潤いの無いアナルに挿ったローターが弱く震動する。
「んっ、んうぅっ!」
途端、身体を襲った引き攣るような痛みに呻いて身を捩ると、離れて行った楓の指が乳首に付いた鎖の持ち手を下へギュッと引っ張った。
「うぅっ……ん」
「これ外したら、四つん這いで散歩させるから」
カリの括れへと沿うようにして鎖をペニスに巻きつけられ、僅かでも変な動きをすればクリップは取れてしまうだろうから、そんなことは無理だと歩樹は力無く首を横に振る。
「じゃあ話す?」
「ん、んぅっ!」
振動が急に激しくなって歩樹は背筋を反らせるけれど、その身体を支配するのは苦しみだけじゃなくなっていた。
アナルの浅い場所にあるツボを的確に刺激されているせいで、断続的な射精感が襲い頭がおかしくなりそうだ。
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