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「考える必要なんてないだろ。馬鹿にしてんの? 俺には映像を流すなんて出来ないだろうって、高を括ってるんだろけど……これ以上怒らせたら、マジで佑樹に見せるから」
「そんなこと……」
「できるよ。兄さんがこれ以上勝手なことするなら、大好きな兄さんが虐められて喜ぶヘンタイだって佑樹に教えてやる」
「楓……お前、佑樹が……あっ、やっ……ああぁっ!」
視界が無いから何をされたのか一瞬理解出来なかった。襲ったのは焼けつくような痛み。そして、体内に分け入る異物感。
尿道に何かを挿しこまれたと頭が理解した時には、次の仕打ちが始まっていて何が何だか分からなくなった。
「あっ、やぁっ!」
「紐、解いてやるけど……自分で勝手に触るなよ」
カリの括れにカチリと何かが嵌められて……これは前にも使用されたブジーだと分かったけれど、今の状態じゃそんなことは何の役にも立ちはしない。
飛び出さないようカリの部分で固定出来るタイプのそれは、折檻の時に使われるのが今では常となっていた。
「ふぅっ……あぅっ」
手足がようやく自由になる。長時間の拘束によって痺れてしまい、なかなか動かせないでいると、突然身体を持ち上げられてベッドの下へと降ろされた。
「ひっ……あぁっ!」
乱暴にされた訳ではない。ほんの些細な震動だけど、ローターが更に中へ入り込みおかしな声が上がってしまう。
そればかりか、塞き止められた尿道の中が突然激しい痒みを帯び、たまらず伸ばした歩樹の腕は強い力で引き上げられた。
「触っちゃダメだって言ったろ」
「でもっ」
「ちゃんと約束守れよ。そうしたら外してやる」
愉しそうに告げて来る声に、ブジーに何かを塗られたのだと歩樹はぼんやり理解する。
「わかった?」
それが何かということよりも、一刻も早くどうにかしたいという思いが強まって……力なく首を縦に振ると、腕を離した楓が頬を撫でてきた。
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