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「いっそ……今の姿録画して、父さんにも見せてやろうか」
「ん゛っ……うぅっ……」
意地悪な質問をしながら、自分の腹に跨がっている歩樹の乳首を指で弾くと、楓のモノを飲み込んでいるアナルがヒクヒク伸縮する。
体面座位の体勢で、腕は背後で縛ってあるから、薄く色付く胸の尖りと、勃ち上がっているペニスを隠す物もなく、こんな情況でも彼が感じているのは一目瞭然だった。
「嫌なんだ。でも、歩樹が悪いから、しょうがないよな」
「う゛っ……んぅ」
懸命に首を横に振っている歩樹に低く告げながら……口に含んだ乳首を舌で転がすと、気持ち悦さそうに喉が鳴るけれど強い瞳が正気を失う事はない。
「歩樹は頑固だ。そういうところも好きだけど……俺が背負うって言ったろ?」
「うっ……んぅっ……うぅっ!」
的確に、前立腺を雁で擦れば、歩樹の身体が戦慄いた。
そのまま何度も下から穿ち、尿道口から飛び出している太めのブジーを少し抜くと、隙間からトロリとした先走りが滲み出る。
「ここ、すっかり好きになったな。こんな身体で女が抱ける?」
「ぐぅっ……ん」
ブジーを抜き差ししながら問うが、返事が聞こえる筈もない。
「抱けるわけ無いよな。歩樹はもう……こっちでしかイけないし」
「んっ、んうぅっ……」
乳首にギリリと犬歯を立て、アナル深くを激しく穿つと、細かく身体を痙攣させ、喉を反せて脱力した。
「出さないで達っちゃった? ホント……歩樹は厭らしいな。たまんないよ」
兄であり、恋人でもある歩樹の身体を作り変えたのは他でもない自分だが、その楓さえ彼の色香に我を失いそうになる。
「このまま抱き潰すつもりだけど、その前に言っておく。織間の直系は俺らの代で終わる。継ぐのは外戚だろうが他人だろうが構わない。世間体が気になるなら二人で辞めて東京へ戻ったっていいと思ってる」
細身ではあるが筋肉のしっかりついた肢体を抱き締め、胸元に頬を寄せて告げれば、脱力しかけた身体が緊張したのが肌から伝わってきた。
真面目な歩樹にこの提案は、きっと受け入れられないだろうが、兄を一番に考えている楓は至って真剣だ。
「知ってるよ。兄さんは罰を受けたいんだ」
「んっ……ふぅ」
「大丈夫。狡いなんて思わない。兄さんが思ってるより……俺は兄さんを分かってる。けど、結婚して子供も作るなんて言われたら、やっぱり傷つくだろ?」
例えそれが楓の為の発言だと分かっていても、それだけは許せない。ましてや今日は本気だったと分かっているから尚更に。
「俺の言いたい事、分かるよな?」
唸るような楓の言葉に歩樹の身体は強ばるが……顔を上げて表情を見ても、強い瞳は怯まなかった。
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