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「ほら」 「あ゛、あうぅっ!」  少しずつブジーを抜かれて排泄感に歩樹が喘ぐと、横を向くように体を返され臀部をバシリと叩かれた。  既に赤く腫れたそこを、二度、三度……と、強く打たれ、逃れようと体を捩るが緩慢にしか動けない。 「いっ……やめっ…っ!」 「全部見せろよ」 「ん…くぅっ」  低く掠れた艶のある声に体の芯が熱くなり、同時にブジーを完全に抜かれ、仕上げとばかりに尻を打たれれば、我慢する事も不可能だった。 「あっ…あぁ……」  股間がジワリと熱を持つ。  一度決壊してしまえば、尿道をせり上がる液体を留めることなど出来やしない。 「ん…んくぅ」 「いっぱい出たな」  開放感に小さく喘げば、耳朶へと軽く歯を立てられ……それに反応を示してしまった歩樹の体はブルリと震えた。  *** 「あ……うぅ」  呆然自失というのだろうか?  覗き込んだ歩樹の顔は、紅く色づいているけれど……虚ろな瞳は焦点が合わずぼんやり遠くを見つめている。 「歩樹、飛んでる場合じゃないだろ?」  頬を軽く叩いて告げると、ハッとしたようにこちらを見上げ、動かせるようになった掌で覆うように顔を隠した。 「……見るな」  臆病な彼の恥じらう姿に鼓動が一気に速度を上げる。 「恥ずかしかったよな。弟の前でおしっこ漏らして。でも、これで終わりじゃない。歩樹はこれからココに俺のをくわえ込んで射精するんだ。オンナみたいにね。そんな歩樹が結婚して、子供作るなんて……」 「……るさいっ! 俺が……どんな思いで、お前を受け入れてると思ってるんだっ!」  後孔だけの刺激で射精するのはいつもの事なのに、言い方を変えて全く違う意味を持たせたのは煽る為だ。  案の定、殴りかかって来た拳を、掌を使い吸収すると、こちらを見上げる強い双眸へ楓は薄く笑みを返した。 「ようやく言った。ごめん……嘘。知ってる」  本来彼の性質はタチだ。しかも、バイセクシャルだがゲイではない。  最初は無理矢理拓いたとはいえ、男相手にオンナのように脚を開くのには、相当な葛藤があるはずだ。 「知ってるよ。歩樹がどんな気持ちで、俺を受け入れてくれてるか」 「ちゃんと分かってる」と、柔らかな声音で囁きながら、顎のラインを指でなぞると、ずっと堪えていたのだろう……涙が一筋頬を伝った。 「お前……狡い」 「ああ、狡いよ」  歩樹の為ならいくらだって狡くもなれるし悪くもなれる。  そう……額へとキスを落として告げれば、苦しげに顔を歪ませた。

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