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光はみんなの明るい太陽。 僕は夜に浮かぶ月ではない。 水面に映る太陽の真似をした虚像だ。 太陽がいなければ僕の存在は認知されない。 とても、とってもいらない存在。 「おいっ、弟の方。光を見なかったか?」 「やだなぁ、しゅーと君。僕の名前は夢だよ?いい加減覚えたらどうかな?まぁ、別にいいけどね。光ならトイレに行ったよ。あっ、覗いたら殺すから。」 「覗くわけないだろ。」 同じ男なら別に対して覗こうが覗きまいが関係ない気もするけど。 まぁ、光はある意味彼らにとっては同性だろうがなんだろうが関係はないんだろうけど。 悲しいかな、悲しいかな。 でも、しゅーと君にどんなふうに思われていてもどうでもいい。 どうでもいいんだ。 だって、僕、しゅーと君のこと好きじゃないし。 だから、悪戯。 「トイレになんか行ってないよーだ。」 しゅーと君の後ろ姿を見送りながら、あっかんべーをして光のいる職員室に向かった。 せいぜい至る所にあるトイレの中を探しまくればいい。 「光〜‼︎」 「あっ、夢。どうしたの?帰り?」 「久々に一緒に帰ろうよ。」 「あー、でも今日は修斗と帰る約束が…。」 ああ、だからしゅーと君、光を探してたのか。偶然とはいえ悪戯してて良かった。 「そっか〜。そうだよね。久々に夢と一緒に帰りたかったのに…。」 「夢…。そ、そうだよね‼︎そう言えば、夢と一緒に食べたいと思ってたクレープあったんだよね。それに相談に乗ってもらいたいこともあったんだ。修斗に連絡入れて断ってくるね。」 携帯を片手に廊下の隅による光を見て、しめしめと思う。 光は僕が少し寂しげに笑うとなんでも許してくれる。これ以上、いちくんの失恋なんかみたくない。 どうせなら、いちくんにはしゅーと君と同じくらいの位置でいてもらわなきゃ。 好きな人の恋を応援したい。 なんて、僕はいつからドMになったんだろ。 「夢っ、一緒に帰ろっか。」 「うん。」 どうやら電話は終わったようで、ばっちりとグーサインを出してきた。 今頃、しゅーと君は肩を落として残念がってるに違いない。ざまぁ。 「クレープ何食べようかなぁ。」 「いちごクリーム美味しそうじゃない?」 「新作の苺チョコクレープも美味しそう。」 2人できゃっきゃっと笑いながらクレープを決めた。

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