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九
「ふふっ、はははは。」
いつのまにか風呂場に立っていて、いつのまにか左手にナイフが握られていて、右手は血だらけになっていて。
「あはっ、はははは。」
風呂場につけると、血は止まらなくなった。
手に持っていた睡眠薬をそのまま口の中に放り込む。
笑っているのに楽しくない。
楽しくない。苦しい。悲しい。
ああ、早く眠りたい。
眠りたい。
楽になりたい。
だんだんと全ての音が遠くなって静かに闇に身を任せた。
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