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二十三

声が、震える。 ただ、ずっと抑えていた言葉が溢れた。 「みんな…。みんな‼︎みんな、みんな‼︎光だ。事あるごとに光、光。別に光がみんなに好かれるのは当たり前だと思うし、今更何も思わない。 けど、だけど、僕が何をしたっていうんだ‼︎ 僕は何もしていない。ただ、光の双子の弟で、光と少し似ているだけだ。 なのになんで、僕の存在が否定されないといけない‼︎ 僕だって、傷つくのに、なんで、なんで‼︎」 息が上がる。 涙が滲む。 それでも、それでも、抑えられない。 「すまない。」 「えっ?」 なんで?なんで…。 「なんで、謝るの…。」 「俺は確かに光が好きだ。だから、お前が記憶を無くす前まで、俺はお前を蔑ろにしていた。お前が特別嫌いな訳ではなかった。ただ、俺は光にしか興味がなかった。 お前が記憶を無くしてから気がついた。俺の視野がどれだけ狭かったのかを。 俺は光の大事な弟を救うことが出来なかった。 俺は大事な友人を助けることが出来なかった。」 「友人…?」 「篠崎に聞いたんだろう。自殺をしようとしたことを。俺は、俺らはお前を傷つけた挙句、見捨てた。 お前が自殺未遂したと聞いたとき、酷くショックを受けた。それは、光の弟で、懺悔の気持ちがあったからだけじゃない。 確かにその気持ちはあったが、何より大切な友人が自殺しようとしたんだ。ショックを受けても仕方がない。 まぁ、記憶を無くしたお前に友人だなんだと言っても仕方がないし、本当に今更のことだ。」 「僕とその…笹舟君は友達だったの?」 「友達というにはあまりに薄い関係だった。俺は光をなによりも優先していたし、お前はその横にいる弟と思っていた。」 じゃあ、なんで友達なんて言うんだ。そんなの友達じゃない。光が好きなら光にアピールすればいい。僕じゃない、光に。 「言っただろう。光にしか興味がなかったと。だが、違うな。何もかも遅いし、言い訳かもしれないが、俺はお前と良い友人になりたかったんだ。」

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