家までついて、しゅーと君といちくんと別れる。と、その前にいちくんの耳元に近づいて話しかける。 「いちくん、辛くない？」 「辛いって何が？」 「その…、光としゅーと君の…。」 「ああ、うん。本当はね、光のことはだいぶ前に吹っ切れてたんだ。それに、本当に大事な人を見つけたから。」 本当に大事な人…。 新しい、好きな人か…。 「本当はすぐに想いを伝えようと思ってたけど、やめた。俺は少し思い違いをしてたみたいだ。まさかライバルが現れるなんて思ってもなかった。でも、よく考えたら当たり前だよね。いつまでも俺が支えられるわけがなかった。」 ライバル？ 恋敵的なあれ？ いちくんは相変わらず三角関係もしくは多角関係の中に名を連ねているのだな。 「胡座をかいてちゃダメだってことも気付かされたし。明日のことは任せて。きちんと夢のクラスメイトに日本を案内するから。」 ここでなんでユーリの話？ って、あっ、ユーリ！ 「ごめん、そうだ。いちくん、ユーリのことは嫌なら断ってもいいんだよ。初対面なのに案内させるとか、ユーリは相変わらずおかしい。」 「ううん。いいんだ。それにちゃんと挨拶しておかないとね。」 「…？よく分からないけど、いちくんがいいなら。何かあったら言ってね。」 ユーリ、いちくんに無茶なこと言わなければいいけど…。 ああ、でもユーリだしなぁ…。