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三十三

その夜、光と久々に一緒のベッドの中に入る。お泊り気分で2人でくっ付いて話をした。 「それでしゅーと君とはどうやって?」 「修斗が告白してくれたんだ。本当はね、他にも何人かに告白されたんだ。でも、頭に浮かぶのはいつも修斗の姿だった。それと、この前、修斗が綺麗な女の人と歩いている姿を見つけて…。」 「嫉妬したんだ。」 「うん。すごく嫉妬した。それで自覚したんだ。ってうわうわ、凄く恥ずかしい…。」 「他にも告白されたでしょ?どうしたの?」 「…断った。仲良かった友達からにも告白されたけど、それでも修斗が良かったから。あー、もう!次は夢の番だよ!何あの友達。ユーリだっけ?聞いてない。」 そう言えば、光には言ってなかった。いや、正確には名前を出してなかった。 「ほら、話したでしょ?少しクラスで浮いてたときに僕を庇ってくれた人がいるって。それが、ユーリだよ。」 「ああ、あの!そっかぁ。ってことはやっぱりユーリは夢のこと好きだよね。頬にキスしてたし。」 「あれは外国のノリだよ。それにいつも通りだし。」 「えええ、そうかなぁ?」 ユーリはチャラ男だ。ふらふらしてるし、いつも冗談ばかりを言う。ただたまに理不尽な差別から守ってくれるけど。友人の範囲内だ。 「そうだ、優斗は?どうなの?」 「いちくん?なんで?」 「優斗、夢のこと好きっぽいから。」 「ぷっ、ははは。それこそ有り得ない話だよ。いちくんには別の好きな人がいるみたいだよ。それに、いちくんは僕に気を使ってるだけだから。」 未だに僕の自殺未遂を引き摺っていると思うと本当に申し訳ない。今回の一時帰国でいちくんにはちゃんと立ち直ったことを話さなければ。 「明後日はいちくんとも話せたらいいな。」

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