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第6話(※) 〜side.千早〜

「挿れるぞ」 「うん…///」 俺がおねだりをした後、寛希(ひろき)はもどかしくなるくらい丁寧に俺の体の準備をしてくれた。 早く抱いて欲しくて、準備が整わないうちから『大丈夫だから挿れて』って伝えたけど、寛希は本当に大丈夫になるまで挿れようとしなかった。 それだけ俺の事を大切に想ってくれるんだなぁと思うと、くすぐったい気持ちになった。 体の力を抜いて寛希を待った。 寛希の瞳に自分が映っている幸せを感じながら熱を受け入れていく。 久しぶりに感じる寛希の昂りは、熱くて硬くて大きくて、俺の体は寛希でいっぱいになった。 懐かしい下半身の圧迫感や、寛希の優しさと俺を求める雄の本能を混ぜ合わせたような眼差し。 もう二度と寛希に抱かれる事はないって諦めてたから、嬉しくて嬉しくて…。 「泣くなよ…」 「だ、だって…嬉しくて///」 寛希が指先や唇で涙を拭ってくれたけど、それが追いつかないくらい泣けてしまって、恥ずかしい。 「…っ、どうしてそんなに可愛いんだよ///」 寛希はぎゅうっと俺を抱きしめてくれたから、俺も寛希の広くて逞しい背中に手を添えて抱きついた。 お互いの頰にキスをしたり、体を撫でたりしながら体がなじむのを待った。 時々、俺の中の寛希がビクッと動いたり、俺の内側がキュッと寛希を締めつけてしまったり…。 その度に2人でふふっと笑ってしまうのも嬉しかった。 「またこうやって千早(ちはや)を抱けて嬉しい。故障したエレベーターに感謝だな」 寛希は照れくさそうにそう言って少しずつ腰を動かし始めた。 「ふ…ぁ……、はぁん…」 腰の動きに促されて、粘膜同士が擦れ合う感覚が気持ちいい。 寛希の筋肉質な二の腕に触れながら身を委ねていると、繋がったままゆっくり抱き起こされた。 俺の大好きな…対面座位。 体の隙間がないくらいぎゅっと抱きしめ合って、甘いキスをして…。 寛希の息づかいを感じながら、奥深くまで繋がると、幸せな気持ちが体の中から溢れてくるからこの体位が大好き。 お互いの体の構造の都合だと思うんだけど、ちょうど俺のイイところに寛希が当たるから、そこもお気に入り。 「覚えててくれたの///」 「当たり前だ。千早の事は何だって覚えてる」 おでこに寄せられる唇。 「嬉しい…」 甘えるように体を寄せて頬ずりをする。 俺が甘えると『千早の可愛さは国宝級だな』って喜んでくれる。 今もほら、デレデレしてる。 まだ乾き切ってない髪を撫でられるのも、こめかみにキスをされるのも幸せ。 動いて奥を擦ってくれたら、もっと幸せ。 「動くぞ」 待ち望んだ寛希の甘くかすれた声。 先を期待して体が火照る。 「あぁっ、そこ…!っ…はぁん、気持ちいい…///」 寛希が俺の腰を固定したまま下から突き上げるから、全部が奥に当たるし、2人の繋がった部分から聞こえる粘膜の絡み合う湿った音がさらに快感を煽る。 「千早はここも好きだろ?」 「好き…、もっと擦って…!」 俺を抱きしめながら汗をびっしょりかいて俺を気持ちよくしようとしてくれる寛希が愛おしい。 寛希のおでこから流れてくる汗を指で拭った。 指先を舐めてみたらしょっぱかったけど、寛希の分泌した汗だと思うと、胸がキュンとしてますます興奮してしまった。 「それエロいな///なぁ、指舐めてくれよ」 口元に差し出された寛希の指先。 俺はフェラチオをするみたいに、根本まで舐めたり、先にキスをしたり。 寛希を見つめながら咥えて扱くと、俺の中の圧迫感がグンと増した。   「寛希…今、大っきくなった…///」 「そんなヤラシイ事されたらなるだろ」 寛希は俺をきつく抱きしめると、また腰を動かし始めた。 「あぁんっ、激し…っ…んんっ」 汗で滑るから、体が離れないようにくっついて濃厚なキスを交わす。 口の中も下半身も熱い寛希で埋め尽くされてとろけそう…。 「愛してる、千早」 張り詰めた寛貴の先端が、体内のしこりに触れた。 「ひゃっ…!」 無意識に体が跳ねてしまう甘い痺れ。 俺が感じるのを見た寛希が嬉しそうな顔をした。 「だめ…イッちゃう」 「イケばいいだろ。イクとこ見せてくれよ」 耳元で囁かれて、そのまま耳を舐め上げられた。 それだけでも背中のあたりがゾクゾクして昇りつめそうになる。 「あぁん、だめ…。1人でイクの嫌。1人は淋しい…」 寛希にもイッて欲しい。 俺の中で果てて、精液を一滴残らず注いで欲しい…。 俺は必死に我慢をしながら伝えた。 「大丈夫だ、千早がイッたらすぐにイク。俺ももうイキそうだ」 「本当…?俺だけじゃない?」 俺を満足させるために嘘をついてないか気になった。 自分だけ気持ちいいセックスなんてセックスじゃないって思うから…。 「気を抜いたら速攻だ。だから安心してイッていいぞ」 寛希は俺の敏感な胸の先を引っかいたり、つまんだり。 その間も前立腺の側に触れるピストンは続いてて…。 我慢できなくなった俺はうなずいて瞳を閉じた。 「好きだ…。愛してる、千早」 寛希は俺の腰をつかむと、狙いを定めて何度も何度もそこを突いた。 「あっ、イク…!寛希…ぁ、あぁぁんっ…!」 俺が射精したのを見届けた寛希は、ようやく俺の奥深くに白いとろとろを放ってくれたんだ…。

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