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ちょっと強気な子羊ちゃん6話
「えっ?」
東雲の言葉に照哉は聞き間違いかと思った。でも、自分を見下ろす東雲が艶っぽく見つめて「俺……照哉さんを抱きたい」と言ってきた。
どうやら聞き間違いでは無かったみたいで……照哉は戸惑った。
こんなに大胆な東雲は見た事ないし、断る理由って何?と思う。それにその申し出を断られる辛さを照哉も分かるから。
自分がもし、東雲に断わられたら凹む。
「……うん、いいよ」
「えっ!!!」
OKをしてみれば申し出をしてきた東雲の方が驚いた顔をしている。自分でやりたいって誘ってきたくせにって笑いたくなってきた。
「なんだよ?そのビックリ顔は……自分から言ってきただろ?」
「そうですけど……断られるかと一瞬思ったから」
「こういうものは言ってみるもんだろ?」
照哉は手を伸ばして髪をクシャクシャと撫でた。
「いいの?」
改めて聞く東雲はちょこんと小さく見えて可愛いらしい。
「いいよ、おいで」
照哉は両手を広げる。
「照哉さん」
ニコッと笑顔を見せる東雲。子供が喜んでいるみたいだな……本当、コイツって無自覚な小悪魔だ。
「気持ち良くしろよ?」
余裕があるように見せてみる。……実際は東雲に抱かれるという緊張がある。
「します!!」
決意表明みたいに真剣な顔に照哉は思わず笑う。
「なんだよ、リラックスしろよ!」
「だって……緊張しますもん」
「俺が上に乗って入れてやろうか?」
ニヤリと笑う照哉。
「うっ、それもみたい……かもです」
「お前なあ」
「だって……照哉さんを抱けるかと思うと心臓がバクバクいってるんですよ?触ってみます?」
「触るんならこっちがいいかな?」
照哉は東雲のモノをぎゅっと掴む。
「あっ!!ダメです」
東雲は身体を反らす。
「入れる前にいっちゃうでしょー!」
東雲は身体をずらす。すると自分の中にあった照哉のモノがポロリと出てきた。
それが栓だったみたいで照哉が出した精液が太ももにつたってきた。
「いっぱい出てたんですね?」
真顔で言う東雲。
「何、冷静に見てんだよ?……つーか、エロいから」
太ももに自分が出した精液がつたうって、こんなにエロいものなのか……と見つめてしまう。
「あの……えっと、ここって解すんですよね?」
東雲はいきなり照哉の太ももを掴むとぐいっと上に浮かせた。
「ちょ!!おまっ!いきなりか!」
さっきまで少し緊張して顔を赤くしていたのにもう、自分の両足を持ち浮かせている。
「照哉さんがやってくれるようにしたらいい?ですよね?」
「……まあ、そうだけど」
照哉がそういうと東雲は顔を尻に持っていき、そこをペロリと舐めた。
「わあ!!!東雲えええ!!なにやってんだあ!」
驚いて大きな声が出た。
「らって……てるやしゃんはなめる……」
「舐めながらしゃべるな!!」
東雲は照哉の尻の穴へと舌を這わす。確かに自分も東雲のを舐める。最後はローションとか使ったりするが前座は雰囲気作りだから丁寧にやらないと、セックスが嫌いになるかも知れない。
「あっ……んっ……」
舌が生き物みたいにそこばかりを攻めてくる。ここが気持ち良いと知っているから?
照哉の息は上がる。
そして、グッと舌が中へ。
「あっ……」
気持ち良さに身体が震える。
舌がそこを充分にリラックスさせると次は細いものが侵入してくる。それは指輪だと分かる。
細い指……。
ふと、太くてごつくて、乱暴に入ってくる指の感触を思い出した。
「キツいな照哉」
あの時、耳元で言われた。
初めてで何をどうされているか想像もできなかったし、想像もしたくなかった。
ただ、その行為が早く終わればいいと思っていた。
「初めてだろ?まあ、痛いだろうがその内好きになる……ここを使って自慰行為とかしたくなるぞ?」
上から見下ろされてそう言われた。
照哉は首を振る。
「いつか、ここが、気持ちいいって感じる時がくるさ……お前素質あるからな」
ニヤリと笑われた。
その後はあまり覚えていない。
気持ちいい……って感じる時。
悔しいけれど、今がそうだった。
凄く感じる。舌と指だけなのにゾクゾクが止まらないのだ。
息が荒くなって、自分でビックリするくらいに喘ぎ声を上げている。
くそ……気持ちいい……。
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