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田中フルハウス 4話
「はい。しのののめさん」
言い直しても「の」が一つ多い事に照哉はツボったのか俯いて笑っている。
「の、が多いです!英雄さん、来週から新人が入りますからね」
東雲は不機嫌そうに言う。
「新人入るとですか?嬉しかです。これであの生意気な双子のパシりばせんで済むとですね。」
英雄氏は嬉しそうな顔をする。
「ヒデちゃんパシられてたもんね。良かったじゃん!あ、それたから田中店長がトンだから東雲が店長になったよ」
笑いながらに照哉がそう言う。
「そいも本当ですか?しのめさんが店長は嬉しかです。前の店長は使いもんにならんやったもんですもんね。」
の、が多いと言ったら次は少ない。いつになったら彼は名前を覚えてくれるのだろうか?東雲はため息をつく。
「ヒデちゃん東雲が店長で嬉しいの?」
「もちろんですばい、優しかですもんね。ここで優しかとは照哉さんとしのめさんだけですもん。」
「俺、ヒデちゃん好きだよ~方言半分理解出来ないけど笑いのツボは心得てるよね」
「なんか褒めてもらいよるとやろうけど…ツボは作った事無かですけど?」
「あははは、ヒデちゃん最高!」
照哉が爆笑しているとドアが開いた。
「あー、ここに居た!掃除道具出しっぱなで何サボってんだよ」
生意気な双子の片割れ幸太が勢い良く入って来た。
「はう。生意気双子の片割れが来たです」
英雄氏は東雲の後ろへ隠れる。
「何隠れてんだよ。早く片付けて来いよ」
「掃除はもう終わったです」
「道具出しっ放しだろ?」
「掃除しろとしか聞いて無かですもんね。」
「はあ?片付けもオプションだろーが!」
祖父くらいの年齢の者にも物怖じしない幸太に東雲は、
「幸太、俺が行くから、お前は休憩入っていいぞ」
と止めた。
「東雲さんが片付ける必要ないですよ。」
幸太は英雄氏を睨む。
「掃除はちゃんとしたんだろ?それに道具もちゃんと片付けるように言わない幸太も悪い」
東雲の言葉に英雄氏は幸太に子供みたいに指差して笑う。
その態度に幸太は殴る真似をする。
「片付けてくるから」
そう言いながら東雲が歩き出すと、
「私も行くです」
と英雄氏が後を追う。
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