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鬼畜ですけど、何か? 5話

「新人で入って来た時から東雲好きだっただろ?」 と、照哉。 「一目惚れなんだよね」 これは健太。 「幸太ノ態度見テタラ分カルゾ」 「そうよ、あからさまじゃんか」 ユナとモモにまで言われ、幸太は赤面する。 「私は応援するですよ」 味噌チゲを食しながら英雄氏も言う。 幸太にあんなにイジメられても応援すると言う英雄氏にジーンとくる。 「爺、良い奴だな」 「なんか上から目線のごたるばってん、私は応援するです!告白すると良かです!」 「爺…」 幸太はイジメた事を後悔した。 「後悔するよりか、告白して当たって砕けると良かです!」 「砕けるって…てめぇ!応援してねーじゃねぇかよ!」 すぐに後悔するのを止める幸太。 英雄氏を殴る振りした時に照哉の携帯が鳴る。 「東雲からだ」 携帯に表示された名前を読むと真っ先に幸太が来た。その後に様子を伺おうと全員が照哉の周りに密集した。 「照哉さん?」 具合悪そうな低い東雲の声。 「東雲、お前寝てなくて大丈夫なのか?」 「目、覚ましたら会長の部屋で、照哉さん居ないし…もうすぐ勤務時間なのに服見当たらないし」 「はっ?お前素っ裸なの?」 照哉の返事に幸太は目を見開く。 「ちゃんと着てますよ。多分…会長のパジャマだと思うんですけど、着ていた俺の服が見当たらないんです」 「会長居ないのか?」 「起きたら部屋には居なかったです。で、お願いがあるんですけど、着替え持って来てくれません?」 「それは良いけど…」 「東雲さん、素っ裸なんですか?」 東雲の会話は聞こえないのか幸太は不安そうに照哉に聞く。 「やっぱ、野獣だわ会長!弱った獲物を食べちゃうなんて!ドS攻めで話沢山書けちゃうわ」 モモは脳内で腐変換をすでに行っており、妄想にウットリとしている。 「照哉さん、東雲さんどうしたんですか!助け求めてるんじゃないですか!」 幸太の脳内もモモの影響で腐変換をされているようだ。 「あ~、お前らウルサい」 照哉はウルサい二人を睨む。 「貸してください」 心配な幸太は照哉から携帯を奪う。 「東雲さん大丈夫ですか!」 電話の向こうに呼びかける。 「幸太?」 「はい。大丈夫ですか?」 「うーん、アチコチ痛いけど大丈夫かな?」 「痛い?どこが…」 アチコチ痛いと言う東雲に幸太は心配するとうより焦る。 「腰とか…あと、関節?」 「こ、腰!関節って!関節って脚とかですか?!」 「脚?あ~、脚の関節も痛いかな?」 幸太は言葉を失う。 「幸太、携帯返せ!」 照哉に携帯を奪い返され、幸太は不安げな顔をしている。 「なに?東雲、腰痛いって?あと、関節も?わあ~会長、よっぽど激しいんだね。」 モモはワクワクした顔で幸太に話掛ける。 「や、やっぱそうなのかなあ?腰痛いって…会長と…素っ裸だって言ってたし」 幸太は涙目だ。 「脚の関節痛いって言ってんでしょ?会長におら、脚もっと開けよ!とか言われてガンガン突かれたんじゃないの?」 「うわーん、東雲さーん」 幸太は床に顔を伏せ泣き出す。 「関節痛いのは熱あるからだ馬鹿かお前!腰痛いのも寝てるからだろーが!モモに影響されすぎた」 照哉に頭を叩かれながら幸太は説教される。 **** 「ありがとう照哉さん」 東雲は玄関口で照哉に着替えが入った袋を受け取る。 「会長、まだ帰って来てないのか?」 「さっき電話あって、もうすぐ戻るって。」 「東雲、寮に戻るのか?まだ熱あんじゃねーの?」 照哉は東雲の額に自分の額をくっつける。 いきなりの行動に東雲は固まった。 間近に照哉の顔。  キスマークと、ヤッたと言うモモの言葉が脳裏を過ぎる。  「東雲さん、照哉さん、まだかかりま…す…?」 東雲が心配で無理やりに付いてきた幸太は、玄関には入らず外で待っていたが、どうしても気になり、ドアを開けて幸太も硬直。  東雲と照哉の顔が重なっているじゃないか?  キス?してますか?  そんな構図に硬直せずには居られない。  「俺の部屋の玄関口でサカるな」 会長の声に幸太は驚き振り向く。 もちろん、東雲も驚いて照哉から離れる。 「照哉、インフルエンザ感染するぞ」 「インフルエンザ?」  会長の言葉に照哉と幸太は聞き返す。

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