29 / 135

ヤキモチ、ナニソレ、美味しいの? 5話

部屋に入ると直ぐに、モモはシンジの身体を服の上から触り出す。 や、やっぱり!エッチできるんだ。 シンジは期待してしまう。 が、視線を感じる。 ユナも居るから彼女の視線かと思いきや、英雄氏の視線。 えっと、何で居るんだろう? じっと英雄氏はシンジを見ている。 まさか、この爺様まで一緒に? それとも誰かに見られながらヤルのが好きなのだろうか? 「あ、あの、見られてますけど?」 じっと見つめる英雄氏の事をモモに伝える。 「ヒデちゃん掃除して良いわよ。」 「はいです」 モモの言葉で英雄氏は部屋の掃除を始める。 「えっ?えっ?掃除とか…」 シンジは驚いたようにモモを見た。 「掃除しとかないと次使えないでしょ?ユナちゃんデジカメ撮って」 モモがそう言うとユナがデジカメでシンジを撮りだす。 えっ?ヤってる所を撮るの?何プレイ? 「シンジ君意外と胸襟あるね。ちょっと上脱いで」 モモはそう言うとシンジが着ているベストのボタンとシャツのボタンを外し始めた。 「いきなりですか…、あの…俺はどうしたら?」 シンジはすでにその気になっていて、英雄氏が見ていようがユナがデジカメで撮ろうがどうでも良くなっていた。 ボタンが全て外された時にモモが、 「はい。今から言うポーズ取ってね」 とシンジに微笑んだ。 ポーズ? 何プレイ? そう考えを巡らせた瞬間にモモから腕に手錠をかけられた。 手錠?えっ?手錠? 手錠をかけられたシンジの身体をモモは力いっぱい側にあったベッドへと押して彼をベッドに倒した。 何が始まるのだろうか? 凄い激しいプレイ何だろうな! 期待が膨らむ。 *** 「あれ?新人は?」 受付に戻って来た健太は1人だった。 「ヒデちゃんと部屋掃除」 「どの部屋だっけ?」 「え~と、101かな?」 「ヤバいモモが居る」 幸太の言葉に健太はあっ、と短く声を上げた。 「なに?モモちゃんだったらヤバいの?」 ユウヤは首を傾げる。 「俺らもやられたんですよ…きっと新人君も…」 「は?」 双子とユウヤは部屋へと急いだ。 「モモ!」 幸太達がドアを開けると、  「あ、調度良かった、誰かシンジの上に跨がってよ」 モモは入って来た3人に視線を向ける。 ベッドには手錠で繋がれ、口をガムテープで塞がれたシンジが涙目で助けを求めている。 その横でデジカメで写真を撮るユナ。 「モモー!東雲さんに禁止されてただろう!」 「いいじゃん東雲居ないしぃ~シンジ喜んでるし」 モモは同人誌のネタやイラストの構図に困ったらボーイを使いエロい構図をさせ、スケッチしていた。 新人の頃、幸太達もやられていた。 「モモちゃん言ってくれたらモデル俺やるのに」 ユウヤは笑いながらシンジの手錠を外す。 「自ら立候補するなんて、さすがドMね。」 モモの目は輝く。 「会長に開花させられたもん」 ユウヤは何故かドヤ顔。 やっぱ、S同士が関わると弱いSはMになるのだな、と幸太は学習した。 解放されたシンジはモモを遠巻きに見る。 危険性なモノから逃げるように。 「これからはモモの誘いに乗っちゃダメだぞ。」 幸太はシンジに念を押す。 「掃除終わったですよ」 英雄氏は得意げな顔で言う。 「じい、一緒に居たんならシンジ君助けてやらなきゃダメだろ」 幸太は怒るが、  「シンジ君は喜びよったですよ」 英雄氏はそう返す。 確かに、シンジは喜んでいた。 「まあ、可愛い女の子が部屋に居て、手錠とか出したら変なプレイ出来ると期待するよな、新人君、可愛い女の子には注意だよ、はい、それじゃ部屋出て待機」 ユウヤは部屋から全員を出す。 「大丈夫?」 健太はシンジを気遣かってくれる。 「大丈夫です」 そうとしか言えないのが本音。  めちゃくちゃ恥ずかしい! シンジはもう辞めたくなった。 ◆◆◆◆◆ 照哉はうとうとしていた。 ほのかに匂う美味しそうな匂いに目を覚ます。 視界内に映るベッドに東雲の姿がない。 ソファーから立ち上がり部屋を出た。 キッチンから物音が聞こえ、まさかと思うがキッチンへ向かうと、 料理をする東雲の姿。 「こら、病人が何やってんだ」 照哉の声に東雲は振り向く。 「料理作ってるけど?」 「そりゃ見れば分かる、寝てろって言いたいんだよ」 照哉は東雲の横に立つ。 「熱ないし、大丈夫です。それに照哉さんお腹空いてるんじゃないかと」 マジ?俺の為? 東雲の言葉にニヤケてしまう。 「熱さがっても体力落ちてるだろ?」 「だから食べるんですよ」 東雲はニッコリと笑う。 確かに…と照哉も思い、テーブルに食器等を置いていく。 「東雲の作る飯は美味いからな。あいつらも食べたくなってる頃じゃね?」 「英雄さんからチゲ飽きたってメール来てました」 「ユナはチゲばっか作るからな」 照哉は笑いながら言う。 「できました」 そう言って東雲は照哉の方を向こうとして目眩を起こす。 「東雲!」 照哉は慌てて東雲を抱き止めた。 「だから言わんこっちゃない!ほら座れ」 照哉は椅子を引き東雲を座らせる。 「ちょっとフラついただけです」 こんな時東雲は頑固になる。 「はいはい、そうだな。後はやるから座ってろ」 照哉も馴れているので、そう言う。小さい子供の相手をするような態度に東雲はムッとして、  「本当に大丈夫なんですってば!」 と反抗する。

ともだちにシェアしよう!