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ヤキモチ、ナニソレ?美味しいの? 6話

照哉は東雲の代わりに出来たばかりの料理をテーブルに置いていく。 「東雲、マジ サンキューな」 照哉は東雲の横に座る。 「どう…いたしまして」 子供扱いみたいにされて不機嫌だったけれど、照哉に御礼を言われ何故か照れていた。 「東雲、食欲出て来て良かったな」 照哉は食事する東雲を見て微笑む。 「あ、あの…ありがとうございます」 東雲は改まったように御礼を言う。 「急にどうした?」 「いえ、だってずっと看病してくれたし。」 「どういたしまして」 照哉は微笑む。笑うと幼くなる彼。 やっぱ綺麗だな。なんて照哉を見つめる。 「ん?どうした?」 視線に気付いた照哉が自分を見たので東雲は慌てて食事をしようとスプーンを持つが、慌ててしまったせいでスプーンが手から落ち、ポトフがつがれた皿に落ちた。 「あつ、」 熱いスープが跳ね、東雲にかかる。 「ちょ、大丈夫か!」 照哉は慌てて近くにあったタオルを手にする。 「だ、大丈夫です!」 自分で拭こうとするが照哉は東雲を自分の方へ向かせ、タオルで跳ねたヶ所を拭いていく。  「あああ、すみません、カッコ悪いですね俺」 東雲は自分で拭こうと照哉からタオルを貰おうとするが、 「こら、大人しくしろ」 と怒られ、大人しくなる。 「火傷しなかったか?」 心配そうに聞いてくる照哉に大丈夫ですと答えるが、もう…恥ずかしさでいっぱいだった。 食事をこぼすなんて子供だ! しょんぼりとなる。 「東雲、顔上げろ」 「えっ?」 つい、顔を上げると、ペロッと口元を舐められた。 「なーっ!」 なにするんですか!と言いたかったが驚きの方が大きくて、言葉が出なかった。 「ててて、照哉さん」 うろたえる東雲に照哉は、 「美味い」 とニヤリッと笑う。 「しょんぼりするからだよ、まだ具合悪いんだから、こぼしたりするだろ?」 照哉は悪戯っ子みたいな顔で笑う。 そして東雲の頭をよしよし、と撫でる。 「新婚カップルみたいだな」 会長の声に二人は同時に振り向く。 「人の部屋でいちゃつきやがって」 会長は上着を脱ぎ近くのソファーに投げる。 「おかえりなさい。どこから見てました?」 恥ずかしそうにする東雲と反して照哉は普通に話す。 「東雲がこぼしたくだりからだな。バカップルめ」 会長は鼻で笑い、テーブルにつく。 「東雲の手料理か。俺にも食わせろ」 「あれ?食べて来なかったんですか?」 照哉は立ち上がり、食器を取りに行く。 「あ、照哉さん俺が…」 東雲は立ち上がろうとするが、 「お前は座っていろ、病人が!」 と低い声で会長に言われ大人しく座り直す。 「外食は飽きた」 そう言う会長の前に照哉は料理を置く。 東雲は不安げに会長を見てしまう。 外食が多く、グルメと有名な彼の口に自分が作った料理が合うだろうか? そんな心配。 会長は東雲の心配をよそに食べ始める。 「しーのーのーめぇ」 キラリと目を光らせ東雲を見る会長に東雲は恐怖を感じ、思わず照哉の服を掴む。 照哉はすぐにその様子に気付き、つい、嬉しく思ってしまう。 可愛い!と感じて、服を掴む手をギュッと握った。 手を握られ、東雲は…何だか安心した。 「はい?」 だから、返事を普通に返せた。 「美味いぞ東雲。お前、どっかで習ったか?」 会長は怒るどころか褒めてくれた。 「あ、亡くなった父に」 そう答えると会長はそうか…と答え、出された料理を残さず食べた。 *******  「東雲さん…会いたいーっ!」 「うるせえ!」 休憩所で叫ぶ幸太にユウヤの注意が飛ぶ。 「だって、だって東雲さんに四日も会ってないんです!」 幸太な小さい子供のように駄々をこねている。 「たった四日だろ?」 ユウヤは呆れている。 「四日もです!」 幸太はテーブルをガツンと叩く。 そして、すぐにため息を吐くとテーブルに顔を伏せる。 「いいなあ照哉さんは一緒にいれて」 ため息と一緒に零れた言葉。 「なんで照哉さんが看病してるんスかね?俺でもユウヤさんでも良いじゃないですか?」 「会長は却下なのか?」 「会長はダメです!襲われます」 幸太は顔を上げた。 「看病してるのは二人が付き合ってるからだろ?」 「だから付き合ってません!」 幸太はテーブルを強く叩いた。 誤解なのに! 幸太は二人が付き合っているという誤解が嫌で仕方ない。 「幸太、認めたくない気持ちは分かるけどさ、お前…勝ち目ないぜ。なんせ相手は照哉だぞ」 「だって、本当に付き合ってないですもん!それに勝ち目ないとか言わないで下さい!そりゃ…照哉さんはカッコイイし…」 勢いよく言ったものの、虚しくなる。 照哉は誰が見てもカッコイイ! 「カッコイイよな照哉。二十代の頃のキムタクみたいだしな」 ユウヤも認める照哉のかっこよさ。 「世の中不公平です!あんなカッコイイ人反則です」 幸太は訳の分からない八つ当たりをしている。 「幸太も可愛いぞ」 ユウヤは幸太の頭を撫でる。 じわっとくる。 これが東雲さんだったらなあ。 なんだか泣きそう…と思った瞬間に、 ユウヤの顔が間近にあり、唇にチュッと温かいモノが触れた。 硬直する幸太。 触れたモノはユウヤの唇。  き…キスされたーー!  幸太は危うく叫びそうになった。  「ヤキモチやく幸太可愛いな」  そう言って、またチュウをされた。

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