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純情な感情 2話
会長が耳に舌を入れてきた。
照哉の耳に届く唾液のいやらしい音。
軽く羽織っただけのシャツはとっくに脱がされ、会長は照哉が穿いていたスエットと下着を一気に脱がせ、素っ裸にさせる。
会長の舌は耳から照哉の唇へと移動し、そのまま彼の口内へと入り込み、味わうようにしばらく激しいキスが続いた。
ちゅ、くちゅ、舌が蛇のように照哉の舌に絡んでくるが、彼は嫌がる素振りさえ見せず、まるで人形みたいだ。
「本当、つまんねえなお前」
唇を離した会長は照哉呟く。
「あなたの性癖知ってるって言ってるでしょ?」
「素っ裸にされてヤラれるかも知れないのに余裕だな」
「別に性行為初めてじゃないんで」
「ち、余裕ぶっこきやがって」
会長は馬乗りのまま、服を脱ぐ。
「会長、やるんなら会長のベッドでお願いします、床でやると腰痛めるんで」
無表情で答える照哉に会長はニヤリと笑うと、
「ベッドならここにあるだろ?」
東雲が眠るベッドの事を言う。
「それ、シングルですよ」
「シングルとか関係ねえだろ?まあ…ベッドが激しく揺れればさすがの東雲も起きるからな。なんなら3Pするか?」
照哉は間を開けると、
「じゃあ、このままでいいです」
と答えた。
「お前、弱点をアッサリ見せすぎだぞ」
会長は笑う。
「弱点は人に見せるもんじゃない、利用されて終わりだ。」
「会長、弱点ないですもんね」
「ないというか興味ねえだけだ、弱いものは狩られていく、それが世の中だろ?」
「そうですね」
「大事なものを作ると、それを守る為に必死にならないといけなくなる、その必死さを利用しようとされる…馬鹿みたいだろ?利用されるより、利用する側になれよ照哉。」
会長は照哉の頬をペチンと叩く。
「弱点がある奴は弱い…だろ?」
会長は顔を上げて東雲を見る。
「違いますよ会長。大事なモノがあると強くなるんですよ。」
照哉の言葉に会長は視線を彼に戻す。
「東雲の為なら死ねるってやつか?」
「死にませんよ、死んだら何も出来ないじゃないですか、そんな台詞吐く奴はいい加減な人間だと思います」
「いい加減?」
「職場放棄みたいなもんですよ」
その言葉に会長は笑い出した。
「やっぱ面白いな照哉」
会長は起き上がると、照哉を立たせ、彼の背後に回り両手を後ろで束縛した。
照哉の前には熟睡中の東雲。
「東雲見ながらヤルのも良いだろ?」
会長は照哉を東雲の横に押し倒す。
うつ伏せ姿の照哉の顔を東雲の方へ向かせる。
目の前に東雲の寝顔。
相変わらず可愛くて、思わずを目を閉じる。
「照哉、ちゃんと東雲見ろよ、平気なんだろ?お前、強くなれるって自分で言ったんだぞ」
会長は照哉の両手を後ろで押さえたまま、外していたネクタイでキツく縛る。
上に乗ると体重をかける。
二人分の体重でマットの片側が沈む。
会長は照哉の濡れた髪にキスを落とし、次に耳。
「照哉、ちゃんと目を開けて誰に服従しなきゃいけないかを身体に刻んでおけよ」
耳元で囁き、そのまま舌を入れた。
息をするのを我慢する。
荒く息を吐けば東雲が起きるかも知れない。
そんな彼の気持ちを感じ取ったかのように、会長の指が急に照哉のアナルの中に入ってきた。
ビクンと思わず身体が動く。
濡らされてもいないのに無理やりに指が侵入してきたのだ。痛いわけではなかったが、気持ち悪い。
このまま、入れられて腰を動かされたらベッドが揺れる。
「…い、や」
照哉は思わず声を出した。
会長は耳を舐めるのを止めると、
「初めから声出してりゃいいんだよ」
照哉の中から指を抜く。
「お前素直じゃねえからな。そんなんだから事態が最悪になって行くんだろ?最悪な事態を招くのは自分なんだぞ」
頭をくしゃくしゃに撫でる。
「今更、性格直せないんで」
それでも強気な照哉に、
「まあ、それがお前だよな」
と照哉の背中に舌を這わしていく。
「…んっ」
一度声を漏らしてしまうと、つい声が出てしまう。
ちゅっ、ちゅっ、
背中に会長の唇が吸い付く音が響く度に照哉が吐く息も大きくなる。
背中に生温かい舌の感触。
その舌は確実に自分の尻へと下っているのは分かっている。
嫌だと、声に出したい。跳ね除けたい。
でも、出来ない。
お尻の割れ目を開かれ、小さくヒクヒク動く穴に舌が侵入してきた。
「あっ、…会長」
照哉は初めて抵抗するように身体を動かした。
会長の舌はたっぷりと唾液を小さな穴に入れる。
いや……だ、やめろ!!
声にならない声で叫ぶ。
執拗にソコを舐めてくる会長の舌触り。
指まで入れられ、解すかのようにぐちゅぐちゅに掻き回せれる。
絶対に声は出したくない。照哉は歯を食いしばる。
暫くすると腰を持ち上げられたので、挿入されると分かった。
「いや」
照哉が声を出したと同時に会長の大きくなったモノが照哉の中へ躊躇なく入れられた。
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