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純情な感情 3話
指で弄られるのはまだ、可愛い方だった……欲情して勃起した成人男性の性器は凶器にもなるんだって、久しぶりに思い出した。
無理矢理に広げられて、押し込まれるように侵入してきた会長の陰茎が穴を出入りし始めて、ベッドがきしむ。
腰が振られる度に体重もかかり、声が出そうになる。
声は出しちゃいけない……出すと東雲が起きてしまう。ただでさえ、ベッドのきしむ音と揺れが激しいのに。
喘ぎ声とか……抵抗する声とか……出せるわけがない。
それをあざわられるかのように激しく揺さぶられる身体。
後ろから突き上げられ、縛られた手を後ろに引っ張られ、身体をそらさられる。
うっ!!!
グッと奥に会長の陰茎が当たり声が出そうになり、苦しい。
「照哉…相変わらず、締まりいいな、お前のココは」
会長の問いかけに照哉は答えない、ただ、東雲が起きない事を願っていた。
「照哉、東雲は起きねえよ、安心して声を出せ」
その言葉に照哉は揺れながら東雲を見る。
「寝る前に飲んでた薬は睡眠薬だよ」
そう言われ、確かにこれだけベッドが揺れてるのに起きないのが不思議だった。
「くすり…意識、ないの抱かないんじゃ…」
切れ切れに照哉はようやく答えた。
「ちげーよ、元からお前をヤルつもりだった」
やられた…と照哉は思った。
「お前抱くの何年振りだ?」
「おぼえて…ないですよ、昔…すぎて」
「抱いた年齢はよく覚えてるぞ、14だったろ?」
14…確かに14だった。
こいつに無理やりヤラれた。
「あの時も強情だったよなお前。…でも、涙目でそそられた」
「それは会長が乱暴過ぎたからですよ…あっ…」
激しいプレイに照哉は次第に声が漏れていく。
「おまえ、東雲来てから変わったよな?東雲来る前は愛想ないし、笑わないし、顔いいのに」
「愛想は相手を選びます」
「あっそ、俺は選ばれてないのか」
「自分をレイプした男に愛想振りまける程、頭悪くないんで」
「そうだな」
会長はそう言うと体位をかえ、照哉を仰向けにする。
「やっぱ顔見える方がいいな」
会長は照哉を見下ろし、腰を振り、照哉を激しくつく。
声が出そうになるが我慢する照哉に、
「ユウヤはもう飽きた、今日から俺の性処理はお前にしてやるよ」
と会長は微笑んだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆
…いや、
嫌だ!
声が枯れる程に叫んでも誰も助けてなんてくれない。
誰が傷つこうと、自分に火の粉がかからないなら平気。
所詮、人は1人なんだとあの時悟った。
「…や、…照哉さん」
耳元で聞こえてくる声。
「照哉さん!」
名前を大声で呼ばれ照哉は目を開けた。
自分を覗き込む心配そうな顔をした東雲。
「照哉さん大丈夫?」
何が?と思った照哉は汗だくなのに気付いた。
「起きたら照哉さんがうなされてるから…もしかして、俺のインフル感染りました?」
「東雲…」
心配そうな東雲の顔を見たら自然に笑顔になった。
「大丈夫だよ…ちょっとトイレ…」
起き上がると下半身に鈍い痛み。
あの変態!
痛みをこらえ、照哉はトイレへと入る。
「いっ…てぇ、マジ、鬼畜」
照哉は夕べ乱暴に抱かれた事を思い出す。
タップリと身体を弄ばれた。
挿入されたソコには会長に出された白く濁った精液がたっぷりとあり、指を入れて出す。
弄られ過ぎたソコはヒリヒリして、触ると痛い。
吐き気が突然きた。
必死に我慢すると、泣きそうになる。
大丈夫!
大丈夫!
まだ大丈夫!まだ我慢出来る!
襲ってくる虚しさと恐怖に捕らわれないように照哉は自分自身を抱きしめて大丈夫を繰り返す。
「照哉さん大丈夫?」
ドアの向こうから聞こえる東雲の声。
ドアを開けると、心配そうに自分を見つめる東雲。
思わず抱きしめた。
「照哉さん」
急に力が抜けたように東雲に抱きついた照哉を支えきれずに、二人で床に座り込む感じになった。
「具合悪いんでしょ?ベッドに」
「このまま」
「えっ?」
東雲の言葉にかぶせるように訴える照哉に返事を返すと、
「ごめん、しばらくこのままで」
そう言って東雲を抱き締める。
身体が震えているようで、東雲は黙って彼のいう事を聞いた。
温かい。
東雲…やっぱ、お前が好きだ。
照哉は東雲の耳元で囁いた。
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