37 / 135

嘘と本音

ううっ、やばい。 コワい、コワい、コワい、 幸太は目をギュッと閉じている。 ユウヤの唇が首筋に来て、シャツのボタンが外されていく。 どどど、どーしよ! このままだと、ユウヤさんとエッチしちゃうんだよね? 俺、初めては東雲さんと…東雲さんとエッチ… そこまで考えてたら、涙がまたポロポロと流れるのが分かる。 東雲さん、会長とエッチしたのかな? 照哉さんに守ってってお願いしたのにぃぃ! でも、会長に誰も敵わないのは知ってる。 本当は心のどこかで、東雲が会長にヤラれて、ユウヤみたいに男に目覚めたら、自分にもチャンスくるかも、なんて考えてたのかも知れない。 だってさ、東雲さんはノンケで俺は受けで、東雲さんが俺に入れるなんて夢だもん。 それに、自分も経験積んでた方が…、 カチャカチャ、金属音が聞こえてきた。 ベルトを外す音。 ユウヤが幸太のベルトを外している。 や、やっぱり痛いのかな? ドキドキしてきた。 ユウヤの舌が幸太の乳首を舐めてきた。 「ひゃん」 ビクンと身体が震えた。 チュクチュクとユウヤの口に含まれた乳首はすぐに固くなる。 あああ、やばいいぃー! オッパイ吸われるのって気持ちいいんだ。 女の子もこんな感じなのかなあ? ユウヤの指先がもう片方の乳首を弄りだし、2つ同時に攻められた幸太は、 ひゃん、どころか、 「あっん、あああ、」 AV女優よりも激しく反応していた。 気持ちいい、気持ちいいよう。 ユウヤの手は再度下半身へ。 「幸太、…触って欲しいか?」 ユウヤの声に幸太は目を開けた。 いつの間にかユウヤの顔がすぐ近くにあった。 コクンと頷く。 ユウヤは幸太の目尻を舐めた。 「あっん、」 ビクン感じてしまう。 「泣き虫だよな幸太」 目尻というより、涙を舐めたようだ。 「いいのか?東雲じゃなく俺のが入ってくるんだぞ?」 そう言われたら、現実に戻ってしまう。 やっぱり、コワい。 東雲さんが好き。 幸太は首を振る。 「東雲…今頃、会長に脚広げてても好きか?」 幸太はコクンと頷く。 「幸太はバカだな…でも、そういう所、堪らなく好き」 ユウヤは幸太にまたキスをする。 幸太はイヤなのにユウヤのキスを受け入れてしまう。 ユウヤがふいに幸太から離れた。 えっ? 困惑していると、 「ちょっと待ってろ!」 とユウヤが玄関へと行きドアの隙間から向こうをじっと見ているのが、起き上がった幸太の目に映った。 何を? してるのかな?と思っていたら、開けられたドアから、モモ、ユナ、健太がなだれ込んで来た。 「ええええーっ!」 幸太は悲鳴に近い叫び声を上げた。  「先輩、なんか声しませんでした?」 掃除中のシンジが英雄氏を見た。 「猫が盛りよっちゃなかですかね?発情期中で」 「ああ、」 英雄氏の言葉に納得したシンジは掃除を再開させた。 「な、ななななんで?いつから?」 幸太は起き上がりはだけたシャツを慌てて手で押さえる。 「うーんとね、廊下でベロチューしてる所から」 モモはキラキラした目で答える。 「は、初めっから」 幸太は全身が一気に熱くなるのを感じた。 ユウヤは幸太にキスをしながら視線を感じていて、微かに…「最後までやるかな?」 「ヤルダロ?」と会話が聞こえてきたのでドアの方を見たら、閉めたはずなのに、ドアに隙間があった。  確認しに行くと、目をキラキラさせたモモと、冷静に視線を送るユナ、そして幸太と同じ顔をした健太が居たのだ。 「あ、構わず続けて」 モモは相変わらずキラキラした目で言う。 「ネタにする気だな」 ユウヤが言うと、 「いいネタ浮かんだんだあ~」 「はいはい、もういいから、全員出て」 ユウヤは頭を抱えた。 ぶっちゃけ、東雲を尊敬する。 「外で聞いててもいい?」 「ダメ!」 「ケチ」 モモはむくれる。 「東雲ハ愛人ニナッタノカ?」 ユナのストレートな質問。 また、幸太が目を潤ませた。 「ねえ、幸太、東雲は諦めてユウヤさんと付き合っちゃいな」 外に出ろと言われた3人は上がり込む。 「なんだよモモまで!」 幸太はモモを睨む。

ともだちにシェアしよう!