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鬼畜会長と子羊ちゃん
「ち、隙あらば東雲といちゃつきやがって」
会長は舌打ちする。
夜這いに忍び込んだ部屋、照哉は東雲に腕まくらして熟睡していた。
照哉の額に手をあててみた。薬のせいか、東雲のせいかは分からないけれど、熱は下がっているようだ。
会長は東雲を起こさないように腕まくらを外し、熟睡している照哉だけ抱き上げ、部屋を出た。
そして、自分の寝室のベッドに照哉を降ろす。
****
「良イ雰囲気ダナ」
ユナはユウヤと幸太が抱き合う姿をモモと一緒に隠れて見ていた。
「幸太はユウヤさん気になってるっぽいよね!」
モモの目はキラキラしている。
「英雄ヲ助ケニ出サナクテモ良カッタカモナ」
「いやあ、一時はヤバいかと焦ったわ。まさかユウヤさんマジで幸太を強姦しようとするって思わなかったもん」
「モモ、期待シテイタンジャナイノカ?」
「そりゃ無理やりはハアハアくるけどさ、幸太童貞じゃん?初めてがレイプじゃ可哀相だもん」
モモがユウヤをそそのかしたのだが、ユウヤはキス止まりで最後まで犯らないだろうと思ってたのに暴走し始めて慌てて英雄氏を派遣したのだ。
「ボーイズカップルガ2組モ誕生スルトハナ」
「やっぱ、ビッグカップルは東雲と照哉さんだよね。ああ、今頃、東雲は照哉さんとアンアンやってんのね」
モモはウットリとした顔で妄想していた。
*****
東雲…
照哉は東雲を捜すように手を伸ばした。
その手をぎゅっと握り照哉を胸に抱き込んでくれる温かい腕。
頭の下に腕が敷かれて、腕まくらされてるんだなあ。って朦朧とした意識の中、感じた。
腕まくらしているのは会長。
照哉をすっぽりと抱き込んでいる。
無理やり抱くのも良いが無防備に自分の腕まくらで眠る照哉を見ているのも悪くはない。
整った顔立ちの照哉。初めて会った時も幼いながらに女性のような色気があった。
目を覚ますときっと憎しみがこもった瞳で自分を見るであろう照哉は今は無防備で可愛い。
まだ中学生だった照哉を2週間監禁して抱きまくったのは昨日のような気がするが、もう何年も経った。
会長はあの頃より色気が増している照哉の唇に唇を重ねる。
キスは好きな人とするから気持ちが良い。
だから、東雲とキスすると凄く気持ち良くて感じる。
髪を撫でられる感触と絡んでくる舌の感触。
東雲?
「んっ…」
絡む舌を受け入れるように照哉は息を漏らす。
身体を這う手のひら。
「あっ……」
唇はいつの間にか解放されたようで、首筋から順番に丁寧に舌で舐められていく。
「んっ…………」
広い会長のベッド。
会長から全ての着ている物を脱がされた照哉が乱れている。
「お前、意識ない方が素直に感じていいな」
会長が愛撫を繰り返す度に甘い息が照哉の口から漏れる。
意識ある時に抱くとこんな声は出さない。
「んっ、あっ……」
ピクンピクンと反応する照哉の身体。
舌先で執拗に攻める。
いつもこれくらい素直に反応すりゃ乱暴にしないのにな。
このドM野郎!
会長の愛撫が続く中、ようやく照哉が目を開けた。
チッ、
「目、覚ました途端に舌打ちか照哉」
真上から見下ろす会長は照哉を見てニヤリと笑う。
照哉はフイッと横を向く。
東雲ではなかった。
一緒に寝ていたから、東雲だと思っていて、舐められる感触や手のひらの感触に感じた自分に腹が立つ。
目を開けると自分を愛撫していたのは会長。
舌打ちもしたくなる。
「まあ、いい。」
会長はそのまま、照哉への愛撫を続ける。
******
寝返りでふと、目が覚めた東雲。
あれ?照哉さん?
一緒に居たはずの照哉がいない。
起き上がり周りを見る。
「照哉さん?」
名前を呼んでも、周りを見ても照哉は居ない。
トイレ?
ベッドから降りて照哉を探しに部屋を出た。
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