56 / 135

鬼畜会長と子羊ちゃん 11話

会長の今の恋人って照哉?  東雲のはずじゃ?  「ユウヤ、お前もう金髪と付き合ってんだろ?それなのに東雲にも手を出す気か?」 「えっ、ちがっ…………………会長……照哉が今の会長の?」 声が震える。  「あっ?だったらどーした?」 「いえ、だって東雲を」 「東雲は俺んだよ、それから照哉はハッキングの為に呼んだんだ。俺の系列の会社で横領が発覚してな、照哉はハッキング得意だろ?だから夕べ呼び出した」 「えっ?あっ、そうなんですか?」 会長の言葉にユウヤはホッとする。  「東雲はまだヴァージンなんだから手を出すなよ。俺がいただいて…………お前みたいに骨抜きにすんだよ。お前のヴァージンも俺が奪ったしな。俺に仕込まれて嬉しいだろ?そのテクで金髪を骨抜きにしたらいい、それと照哉が俺と居るのは誰にも言うなよ、犯人に逃げられる可能性があるからな」 それだけ言うと電話は切れた。  ユウヤの手が震える。  会長のばか…………鬼畜……鬼、悪魔!  くそったれ!  ユウヤは電話をぎゅっと握りしめてポロポロと涙を零す。  急にお前とは今日までだと突き放されてから久しぶりの会話なのに、 元気か?とか、どうしてる?とか聞いてもいいだろ!くそったれ!バカバカ!会長のばか! 初めて会長にやられて、めちゃくちゃ痛かったけど、だんだんと快楽を叩き込まれ、  他人にはサイコパスみたいな人なのに付き合うと違った。  とんだツンデレオヤジでギャップ萌だった!  今は東雲。  ユウヤは廊下で電話をしていたので、東雲の部屋に戻る。  泣いていた東雲は泣き疲れて眠っていた。  メガネを取ると涙を指で拭ってやる。  東雲………会長に抱かれてないんだ。照哉さんにも。  そっか…………会長より先に東雲抱いたらどうするかな?  俺を捨てた事、 後悔してくれるかな?  ユウヤは東雲の着ている服に手をかける。  「照哉さ…」 唇が薄く開き漏れた言葉。  それがいつか、 薫さんになるんだ。  ユウヤは東雲の唇にキスをする。  軽く押しつけただけのキス。  でも、もう一度唇をくっつけた時は薄く開かれた口内へ舌を入れた。 ******* 「釘さしたから東雲には手出さないだろう」 会長は携帯を照哉に返す。  なんで、会長は嘘ついたのだろう?  今の性処理は自分だって言っても良いだろうに。 「さて、飯食ったら出掛けるぞ。」 会長は照哉の頭をポンと叩き寝室を出た。  ****** 生暖かい感触、ぬるりと絡ませる舌は興奮する。 会長のモノに手を出している興奮。  「……んっ、……さ……」 東雲がピクンと反応を示し、息が漏れるのと同じく言葉を何か言っている。  唇を離すと唾液が細く糸を引く。  「てる……やさ………き、すき………」 譫言を繰り返しユウヤにしがみついて来た。  照哉に愛撫されていると勘違いしているようで、好都合だ。  そのまま首筋に吸い付き、服をたくしあげる。  程良い筋肉がついた身体。  ピンク色の突起物を軽く噛む。  「あっ、…照哉さん…」 可愛く喘ぐ東雲。  会長が悪いんですよ。  俺をアッサリ捨てるから。 東雲もかわいそうに。 照哉じゃなくて俺に今からヤられるんだから。  でも、このままだと直ぐに目を覚まして騒ぎ出すよな?  逃げられたら困る。  ユウヤは東雲の両手を縛る為のネクタイかロープかないかと周りを見て、モモと目が合った。  モモ…………?  「もっ」 モモと叫びそうになるユウヤの口をユナが塞ぎ、 「叫ブト厄介ダゾ」 と耳打ちされた。  「会長に振られたからって東雲に八つ当たりはいただけないわね。東雲は照哉さんのモノだもん」 モモはニコッと笑う。  「いつから見てた?」 ユナが手を離すと、すぐにそう聞いた。  「泣いてる東雲を慰めてる所から」 モモは床にある冷えたミルクをメケメケに与える。  「東雲、元気無サソウダッタカラ、モモト部屋ニ押シカケヨウトシテタラ、オ前ガ東雲ヲ慰メテタ」 「で、後付けて様子伺ってたのよね。つーか、幸太が可哀想じゃん、幸太、ユウヤさん好きになってんのに!肝心なユウヤさんが未練タラタラで東雲襲うなんてね。そんなのは話の中だけで充分よ、リアルでやっちゃダメよ」 モモはミルクを飲み干したメケメケを抱っこする。

ともだちにシェアしよう!