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鬼畜会長と子羊ちゃん 12話
ユウヤは東雲から離れて床に座り込んだ。
「ごめん」
「誰ニ謝ッテル?」
ユナの鋭い突っ込み。
「俺、最低」
「ソウダナ。東雲ノ身体ハ東雲ノ物ダゾ。ユウヤガ好キ勝手出来ルモノジャナイ」
またまたユナの鋭い突っ込み。
「そうそう。照哉さんのモノよ。東雲のチンコも突っ込む穴も」
「モモちゃん」
真顔で言うモモにユウヤは苦笑い。
「俺、まだ未練あったんだな。なんかカッコ悪い」
「えっ?未練タラタラでしょ?」
「女々シイ」
モモとユナの突っ込みにユウヤはもう返す言葉がない。
「ちゃんと忘れて新しい恋をしなよ幸太と。幸太はユウヤさんを好きになってるじゃん」
「ソウダ。幸太ハ、アル意味、ユウヤヨリ大人ダ。チンコ小サイケドナ」
ユナの突っ込み聞いて、ユウヤは笑う。
「ユウヤさんって本当はどっち?受け攻め?会長には突っ込まれてたんでしょ?幸太には突っ込まれたい?突っ込みたい?」
ユウヤは………やっぱり東雲は偉いなあと尊敬した。
この2人には敵わない。
*****
「どこまで行くんだよ?」
車内で照哉は不機嫌だった。
「もう直ぐ着く」
会長は照哉を引き寄せて、「いい加減、機嫌直せよ照哉。これは仕事だから給料が発生する」と言った。
腰に回された手を外そうとするが、もう片方の手が照哉の両手をギュッと掴んで離さない。
チッ、と舌打ち。
「仕事先では舌打ちするなよ」
「アンタがセクハラしないならね」
睨みつける照哉。
身体をベタベタ触られるのはベッドの中で充分だ。
「仕方ねえだろ?照哉が可愛いんだから。まだ時間あるからカーセックスでもするか?」
ニヤニヤする会長。
「セクハラで訴えてやる!!」
「金で勝ち取るさ」
会長は唇をギュッと照哉の唇に押し付けてきた。
「薫ちゃん、もう着くよ」
運転席から灯が声をかける。
会長が嫌いと言った照哉を助けるような言葉。
「うるせえよ灯。地下駐車場に停めてお前は降りてろ、俺と照哉はセックス終わったら行くから」
そう言うと照哉を押し倒す。
「…っざけんな!誰がカーセックスなんか」
抵抗する照哉を会長は抑えつけ、服を脱がしていく。
車は駐車場に着き、灯が車を降りる頃には下着姿だけにされていた。
脱がされた照哉の白い肌に転々とつけられた赤い印。
会長はソレを舐めては吸ってを繰り返し、さらに濃くしてゆく。
それが気持ち悪くて嫌だった。
「やめろっつってんだろ!変態」
「やだね。お前面白いからな」
会長はニヤニヤ笑いながら照哉を見下ろす。
両手を頭の上で押さえつけられ、睨みつけてくる綺麗な男。
散々汚したと思ったのにまだ綺麗なまま。
一緒に俺と落ちればいいのに。
首筋に吸いつくと、 「変態野郎」と悪態をつく。
夕べも悪態をつきながら結局は自分にイカされ息を荒く吐いていたくせに。
脚を広げられ、好きでもない男に何度もイカされるのはどんな気分なのかな?
「俺を殺したいだろ照哉?」
夕べ聞いてみた言葉。
挿入をし身体を激しく揺さぶりながらに聞いた。
「アンタにそんな価値ねえよ」
絶え絶えに答えた照哉。
「俺の人生狂わせる価値はアンタには無い。だから殺したいとも思わない」
ハッキリと答えた照哉は、暗がりの部屋に差し込む月明かりで、ゾクゾクくる程に綺麗だった。
「俺が生きてる限り東雲は抱けないぞ。いいや抱かせない」
「ほざいてろオッサン、つうか、サッサといけよウゼえ」
照哉はそう言って自ら身体をしならせ、動かした。
本当、可愛くない男。
会長はフフッと笑うと照哉におおいかぶさった。
ギシギシと揺れる車を見ながら灯は、 「薫ちゃん……素直じゃないからなあ。」と呟く。
*****
「くそ、腰痛てえし、服にイカくせえ精子飛ばすし、マジ最悪」
照哉はバーの事務所で着替えていた。
「服なら新しいのをまた買ってやるよ」
会長はボーイの制服を着た照哉を後ろから抱きしめる。
「くっつくな!」
「一回しかやらしてくれなかったからな。まだムラムラしてんだよ」
「一回やれば充分だろーが!」
一回目で会長を殴りつけ車から出た照哉だった。
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